コネリー主演の「ドクター・ノオ」の冒頭で、マイルズ卿が自分の組織の事をMI7と呼称している。
これはMI6の間違いではないかというのが、定説といわれているが、あえて「架空の組織」で有る事を示すために使われた節がある。
原作の英国秘密情報部の成り立ち・・・フレミングの海軍時代の上司が理想として描いていた情報部の組織形態を小説に再現した・・・ものを踏襲していたもので、呼び方もブリディシュ・シークレット・サービス、O.H.M.S.S.と呼称され、MI6との差別化がなされている。
この原作を踏襲した、ダルトンのシリーズまでの英国秘密情報部は国防省内の組織である。
国防省は旧海軍省が再編成されて出来た組織で、ムーア演じる海軍中佐のボンドが、M不在時にグレイ国防省から任務をうけるもの自然の流れだろう。
ユニバーサル貿易の金属プレートが貼ってある雑居ビルで現される英国秘密情報部であるが、一般に知られているMI6に移行が試みられたのか、「美しき獲物たち」では、情報部のロケに外務省の建物を撮影している。
原作を踏襲している点では、世界各地に情報部の支局があるのもこの時代の特徴でかもしれない。本部をそのまま移転させたような隠れ家的なものから、諜報線の激しい地域では大規模な設備を要しているところが多く、支局員のメンバーは、その生活習慣を知り尽くしている現地人起用が殆どで、家族単位で取り込んでいる場合も有る。
潜水艦に自分のオフィスを設けてしまうなど、かなりのMのご威光が感じられる。
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