SPYMAKER:スパイメーカー
1990年 96分
監督:フェルディナンド・フェアファックス
脚本:ロバート・J・アブレッチ
出演:ジェイソン・コネリー、クリスティン・スコット・トーマス、ジョス・アックランド、フィオナ・フラートン、他

はじめに
 イアン・フレミングを主人公にした作品。
 フレミングを演じるのは、初代ボンド=ショーン・コネリーの息子ジェイソン・コネリー。100人を越える応募者の中からオーディションで選ばれたのです。(つまり実力で選ばれたということ。)そしてイアンが真実の愛を見出す美しき諜報員リーダーに「プリンス/アンダー・ザ・チェリー・ムーン」のクリスティン・スコット・トーマス。更に、「砂漠の流れ者」のデビッド・ワーナー、「リーサル・ウェポン2」のジョス・アックランド、英舞台/TVの名優パトリシア・ホッジなど、そうそうたる顔ぶれが脇を固めています。

ストーリィイアン・フレミングは、良家の息子として生まれた。 父は幼くして死に、きびしい母の命令で、彼は勉強のため、寮へ入れられる。だが、生まれもっての女好きで、教授の娘に手を出し、退学に。 怒った母は、彼を陸軍学校へ。そこでも将軍の妻に手を出し退学。しかたなく、今度はロイター通信社へ。
彼の上司は、イートン校を退学になったと言う、フレミングに嫌悪を感じるが、 何しろフレミング家は金持ちなので、採用する事に。
彼は、死亡するかも知れない人の、死亡記事を先にタイプすると言う仕事をもらう。 そのうち、彼を気に入った秘書が、フレミングの履歴書を上司に見せたため、上司はフレミングの才能に気づく。 女癖が悪いという事もあるが、彼は数カ国語が話せるのだ。
ソ連では、テロ事件の犯人として、英国人が裁判にかけられていると言う。そこで、フレミングはこの取材の協力へ行く事に。列車で、自称元ロシア王女と言う女性と知り合う。 彼女は、困ったら自分の所へ来いと言って去る。
裁判では、5名ほどの英国人が、罪状認否をされ、1人だけが有罪と主張。不審に思ったフレミングは、泣いていたロシア人女性の家へ。 実は恋人である彼女を殺すと脅され、男は有罪と言わさせられたのだ。 これが発覚すれば、大スキャンダルだ。フレミングはすぐに打電するが見つかる。
相棒に問題のメモを手渡し逃走。例の元王女の家へ行くが、彼女は実はソ連スパイ。 屋根をつたって逃げ、駅へ。そこも軍隊が見張っていたため、列車の下に捕まり逃走。 白ロシア人が彼を救出される。
彼に関心を持ったのが、ゴドフリー提督と、 秘書、女性リーダ。 彼のソ連での活動を聞き、機密何とか書類と言うのにサインさせる。
フレミングを推薦したのはリーダだが、フレミングの誘いには乗らない。 一方、彼の母は、今度は銀行家になれと言い、退屈な日々を送る。
さらに、いとこのダフネと言う女性を、結婚相手と言わんばかりに会わせる。そんな時、旧友で発明狂の男と再会。 スピード狂の女性と、フレミングの車で競争したいと言うのだ。 彼の加速装置を使うと言う。見事圧勝。相手の女性をモノにする。
3人はカジノで、圧勝しているヘルスタイン将軍に会う。 彼はヒットラーの腹心だ。フレミングはムッとして彼と対戦。 しかし、負け。
やがて、戦争に突入。フレミングは、軍隊に召集される。
 ゴドフリー提督とリーダは、彼に少なからず期待をもっていた。まず、フレミングは鬼軍曹のもと特訓を積み、少佐となり、奇抜なアイデアで情報部の改革を進める。 ロシア方面出身の売春婦を、スパイとして教育し、敵地へ送り込もうと言うのだ。 この計画は採用されるが、売春婦は都合よくもヘルスタインに捕まり、殺されてしまう。
ポルトガルで、ヘルスタインの愛人が、書類をもらすと聞いて、フレミングは急行し、カジノに潜入するが、そこにはリーダも来ていた。彼女はすでに一部の書類をもらっており、さらに、もっともらえるようだ。 フレミングは、ヘルスタインと再会。再びカードで対戦する事となる。
今度は、フレミングが何度も圧勝。そのスキに、リーダはヘルスタインの部屋へ。 彼の部屋で書類を探すうち、自分の写真がある事に気づく。
カードで勝ったフレミングは、ヘルスタインの愛人の部屋へ。 だが、彼女とキスをして、唇が冷たいのに気づく。 唇が冷たい女性は悪者だと言う、根拠も何もない理由で、 フレミングは彼女がスパイと気づき、殴って逃走。ついでに、リーダと接近する。
やがて彼は中佐に昇進。難攻不落と言われる要塞攻略を計画する。それは、孤島の上の断崖にそびえる古城で、ナチの基地になっている。
ここには、当然のようにヘルスタインが。
一方、ヘルスタインは、フレミングが情報部を改革したとまで言い、 要注意人物としてマークする。
フレミングは特殊チームを編成。自ら指揮をとる事を希望。 そして、リーダとの愛を認識し、彼女を母に紹介するが、母は雑貨屋出身の彼女を軽蔑する。

リーダも不快に思うが、フレミングの意志は変わらない 。作戦から戻ったらと、結婚を約束。
断崖を登り、古城に潜入。見張りを1人ずつ倒し、会議室へ。 そこでは、敵軍重要人物の暗殺を計画していた。フレミングらは、飛行機で帰還。書類で自分もマークされていた事を知る。 そして、その日付が今日と知り、リーダの身を心配する。
リーダはフレミングの家へ行き、帰宅を待つ。フレミングはジープで急行。 家へたどりつき、顔を見た途端、爆発が。リーダは死んでしまった。
傷心のフレミングは、戦争を終え、母と再会。小説家になると話す。

シェイクしたムービィ
一見観るとあまりにも時代遅れなような印象だけど、それは演出。この50年代の雰囲気が溢れている世界は、原作の物語世界を体験することができる。原作に近いボンドうんぬんは言われるけれど、原作の世界観に忠実なボンド映画があってもいいんじゃないかな、と思ってしまうんだ。なのに・・・ジェイソン君、浮いてしまってます。努力は買いたい。しかし、役不足は否めない。周りがうまくサポートしてますけどね。映画・・・いいたい事わかる。しかしとってつけたような展開が鼻につきすぎ。ま。最後は歴史につじつまを合わせなければならないのは解るけどね。ブルース・リーを素材にした「ドラゴン」くらいの、あざとさがあればねぇ。もちっと観られるものになったのにねぇ


kl