「ミスターボンド、我々は敵対する二人の男だ」
紅い刺青を持つ男
はじめに
タイトルで思わず「TATTOOあり」を連想してしまった。
あと、赤い刺青というと「中」という党(トン)の刺青ですね。サンダーボールのリッペ伯爵がいた組織の、若き日の五体満足の時のジュリアス・ノオ博士が所属していた。ああ、そっから映画のスベクター所属という設定が・・・(ないない)
・・・なんかさ、また外国の作家にありがちな、香港という仮想日本って気も・・・ねぇ?
レイモンド・ベンソンが2001.2.4に2002.5月に出版するボンド小説は日本を舞台にしたいと会見したわけです。
国土交通省の外郭団体、国際観光振興会シカゴ事務所(米国人の日本への観光誘致を行っている事務所)の協力で2001年4月、ベンソン上陸。
ロケ地・・・東京・銀座、歌舞伎町、築地魚市場、青函トンネル、香川県直島町。進撃ルートは四国から東京、北海道と。。。なーんとなく「ゴジラの逆襲」ルート。
内容は、日本人女性と結婚し、東京で大企業を経営する英国人男性の不審死をめぐりボンドが真相究明のため、派遣される・・・というもの。まんまブラックレイン。そうでなければ「スターダスト計画」
パタリロですな。
それに、蚊に病原体を運ばせるっていうのは、MMRのスーパーモスキート!!!!じゃないですか!
殺虫剤でも死なないスーパーモスキート!
インフルエンザの病原体に劣勢遺伝子を組み込んで、8/11に日本中に放たれたはずのスーパーモスキート!
ハチ公で待ち合わせて、築地で寿司を喰うがハイライトらしいけど、ディンコとタイガーと徒党をくんで六本木を骨の髄までしゃぶり尽くしたボンドに、いまさら「おのぼり君」はないだろう。
しかしいまさらながら築地でボンドは寿司を食べたりと・・・。前回は伊勢海老の生き作り、松坂牛、ふぐちり、銀座のホステスに祇園の舞妓はんにくらべたら、コーアンチョウサチョウもずいぶん経費節減になったもんやね。
ほいでもってラストはアイヌ保護区・・・・ガードナーの「紳士らしく死ね」もラストはインディアン保護区だったよなあ・・・・
で、ボンドがタイガー田中から渡された日本刀でゴロー・吉田と戦うのは、「二度死ぬ」鎧兜を身につけ日本刀振り回したブロフェルドに対するオマージュとしておこう。
青函トンネルの果ては北海道。奪還北方領土で旧日本軍のシンパが決起じゃ、芸がないような。
まあ、一昔前の日本人の悪者といったら連合赤軍というのと同レベルか?
プリンス・マルコ・リンゲじゃん。トーキョーを舞台にした「連合赤軍の挑戦」はまずまずだったけど。
あー! 北海道で刺青の男といったら「遠山の金さん」。長崎奉行その前は蝦夷の地でアイヌコタンのために大活躍した「おろしや金四郎」こと遠山左衛門尉景元! 今度の敵は無宿無頼の気前が良くて二枚目でちょいとヤクザな遠山桜かあ!(うそうそ)

悪役の名前はGoro Yoshida。前作の「ネバードリームダイング」にも出てるらしい。
「OO7は二度死ぬ」からの時間をどう埋めるのか。タイガー田中、元神風特攻隊員ってフレミング書いちゃってるし、当時「公安調査庁」のボスって書いちゃってるからさあ・・・。「ブラスト・フロム・ザ・パスト」もちゃんとフォローするのか?
前回はトルコ風呂をボンドに紹介したタイガー田中、今度はソープ・ランドに連れ出すか?
じゃんけんリターンマッチは? また俳句たしなみ歌会ひらくのか?
「正しく日本を理解して欲しい」なんて言ってる人ってのは、ようは自分が「触れられたくないトコを指摘され逆ギレしてるアホ」だということに気づいてないだけの人だとおもうぞ。
でも、日本で成功している外資系っていうと・・・・・ねえ・・・。
車は、ボンド・ガール田村礼子の愛車ホンダ・トゥデイ、札幌支局員・山丸の乗用車ホンダ・ライフ、タイガー田中の公用車クラウン・マジェスタ、そしてヤクザ屋さんのおクルマ黒塗りのベンツ(形式不明)。
フレミングの「二度死ぬ」連載時(日本版エラリー・クイーン・ミステリー・マガジン)日本の評価は、読売新聞をはじめ「外国の作家でこれほどまでに日本を正確に書いたものはない」というのだっただけに、がんばれベンソン・・・かなあ?
タイガー田中かあ・・・ボンド同様「年齢」のことは考えちゃだめですね(笑)
頼りになる味方、しかもタフなおっさん(あ、じいちゃんか)は久々で楽しみですわ。
ちなみに海外サイトでの勝手にキャスティングでマコ岩松、金沢文子がいいと申してます。そんなに海の向こうでは有名なのか?
カナブン??
ストーリィ
ジェームズ・ボンドは“G7”出席の英国代表護衛任務を受け、日本の瀬戸内海に浮かぶ小さな島“直島”にいた。実はボンドには極秘任務が課せられていた。謎の失踪をしている英国人実業家“ピーター・マクバーン”の捜索。ロシアの妙な動き。以前の事件に関与したと思われる“吉田五郎”の調査。
ボンドはマクバーンの足取りを頼りに東京へ向かうが、殺害された後だったことを知る。マクバーンには妻キョウコとシズカ、マユミ、ジュンコという3人の娘がいた。彼女たちの居所を探り築地(シズカの旦那は魚屋)へ向かうが、既に先回りした刺客によって亡き者とされていた。
残された親族のジュンコの行方を探し「銀流会」(ジュンコの旦那はやくざ)に接触を試みるボンドだが、逆にマクバーン殺害犯と勘違いされ捕らわれてしまう。だか“Q”から仕給された小型爆雷のおかげで危機を脱出することに成功する。
ボンドは旧友でもある公安調査庁のタイガー田中を尋ね協力を依頼する。タイガーもある事件を追っていた。この事件にマクバーン殺しのカギがあると感じたタイガーは、部下の“タムラレイコ”と共に札幌に在住の部下との合流を諭す。
「カシオペア」で北上するボンドたちを刺客が待ち構えていた。突然高熱を発し苦しみ出すレイコ。原因を調査するボンドだが青函トンネルに差し掛かった「カシオペア」は、突然の停止信号によって緊急停止させられる。トンネル内で待ち構えていた“河童”こと“コンジュンジ”に襲われるが、レイコと共に脱出に成功する。
札幌でレイコを入院させたボンドは、調査庁職員と「サッポロビール園」で合流し、この事件のカギを握る女とコンタクトするためにススキノのソープランドに向かう。そこでソープ譲“ノリカ”から情報を得たボンドたちは、択捉島へ向かう。
だが、またしても現れた“河童”によって行く手を阻まれるが、アイヌ居住区で潜入捜査中の調査庁職員によって脱出する。その頃レイコはボンドの快もなく息を引き取った。
ボンドは単身択捉島に上陸をを試みる。そこは薬品会社の研究施設があり、そこで“蚊”を介した伝染病の研究が行われていたのだった。そこでボンドは意外な人物を目撃する。“吉田五郎”である。吉田は(前作『Never
Dream of
Dying』にて)秘密結社“ジ・ユニオン”を援助した影の人物とされていた男だった。
捕らわれの身となったボンドに吉田は壮大な計画の全貌を自慢実に話し出す。自分は日本で言われるところの右翼団体の構成員だった。渋谷の街頭で演説したこともあった。現在の腐れきった日本の文化を建て直したい。それには先ずその原因となった米国文化を破壊せねばならない。既に私設部隊が米国へ上陸の途についていると・・・。
吉田はボンドのいる部屋に“蚊”を放ち姿を消す。
やっとの思いで脱出したボンドはタイガーのいる東京へ戻る。そしてタイガーと共にG7の会場である“直島”へ急ぐ。
だが高齢のタイガーは心臓疾患で任務を離れざるを得なくなり、代わりにタイガー田中の最も信頼が厚い部下の“ヨッシー・ナカヤマ”が加勢に加わり直島に向かう。
“直島”の会議会場についたボンドは、一匹の不信な蚊の存在に気づき各国代表たちを退避させ事無きを得る。直島を探索するボンドの前に再び“河童”が姿を現し、ベネッセミュージアムで死闘が繰り広げられる・・・。“河童”を倒したボンドは、ナカヤマが率いる陸上自衛隊のヘリコプター部隊と共に択捉島にのり込み、吉田のアジトに奇襲攻撃を掛ける。しかし間一髪ボンドは、吉田を逃がしてしまう。米国はボンドの連絡により吉田の軍隊を水際で防ぐことに成功した。
帰路に着こうとするボンドに、タイガーからの贈り物として「日本刀」を手にしたナカヤマが見送りに現れる。そしてナカヤマと入れ替わるかのように、吉田が現れ最後の死闘が繰り広げられる。だが、五分と五分の対決に業を濁やした吉田は、大和魂を披露すると言葉を残して切腹するのだった・・・。 (ストラングウェズ様、謝々)
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