決して花は送らない
忘れてはいけないのは、スリラーを発明したのはジョン・グリシャムではないということです(USA Weekendより)
はじめに
ジョン・グリシャムは前回の「死こそ永遠」でボンドが出会ったスリラー作家。と、言うわけでもないが、一部にサイコ・サスペンスになってしまったというほど、今まで映画並みの大掛かりなストーリィ展開が消え、ボンドとフリッカが、一人の暗殺者を追うという展開になっている。
いつもの有名人出演は、今は亡きダイアナ元王妃とウィリアム王子。
ストーリィ
スイスで休暇中のMI5の諜報部員、ラウラ・マーチが殺された。そしてそれは関連のない四つの暗殺事件へと進展していく。MI5の依頼を受けたMはボンドをスイスに向かわせ犯人逮捕を命令する・
ピンクのヒロイン
スイス支局のフレデリッカ・フォン・グラッセは、到着したボンドと共に犯人捜査に赴く。
シリーズ初のボンドのパートナーとしてのレギュラーです。その二人の捜査はまるで後の「Xファイル」のモルダーとスカリー。
・・・というか、「ミソサザイ作戦準備完了」のベアトリーチェ・ダ・リッチのように「自由裁量」があるところから、彼女と一緒の現地駐在のOO要員ではないかと・・・
火曜サスペンス?
殺人現場には常にまだらのステッキをつき独特の歩き方をする男の存在が目撃されており、常に現場には花びらの端が赤い白薔薇が残されていた。
フレデリッカことフリッカがラウラについて調べたことは以下のとおり。
ラウラの兄弟が連続殺人の犠牲者で五年前に殺されていたこと。
ラウラはデビット・ドラゴンポロとの婚約を解消した跡に殺害されたこと。
彼の姉妹であるメーブが、現場に残されていた品種の薔薇を栽培していたことだった。
黒い悪玉
ボンドとフリッカは隠遁生活を送っているドラゴンポロの住むドイツの城に向かう。
ドラゴンポロは、歴史劇を演じる世界的に有名な俳優で、城に乗り込んだボンドとフリッカは彼がラウラを殺した犯人だと突き止める。そして、ミラノ、アテネ、パリの標的リストも発見する。
しかしドラゴンポロは自分が犯人ではないと言い張る。精神病の自分の双子の兄弟が犯人だと。
双子の襲撃を受けるボンドたち。
双子は倒したものの、彼はドラゴンポロとメーブを取り逃がしてしまう。
ボンドとフリッカ、先回りをして、待ち伏せる。
ドラゴンポロの次の標的はユーロ・ディズニーに訪れるダイアナ王妃と二人の王子だった。
フリッカはメーブの犯行を阻止し、ボンドはドラゴンポロと対決、彼を倒す。
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