「我々はいつも、普段の時には会えないようだね」

ネバー・ドリーム・オブ・ダインク

vs The Union の完結編だそうです。次回の敵、ゴロー・ヨシダも登場します

はじめに
Never Dream of Dying 瀕死の奴は夢を見ないという意味。
このタイトルは物語のクライマックス、28章/対決(The Showdown)において、ジ・ユニオンのセサリとボンドとの戦いの場面に登場する。
光一つない暗闇での闘いで、セサリは至る所から声が聞こえてくるよう攪乱し、ボンドを翻弄させる。
ボンドは声のする方に銃を撃つが、嘲笑うセサリに弄ばれるだけだった。
セサリは棍棒でもって、ボンドの右肩甲骨を激しく一撃して、苦痛に崩れ落ちるボンドに尋ねる。
「ミスター・ボンド。最近、妙な夢を見なかったかい?」
応えてボンド曰く。
「あんたが、何を言おうとしているのかわかっているよ。瀕死の奴は夢をみないからな」
その痛みからボンドは、セサリがどうやって自分を料理するつもりなのかを知ったのだ。
いわゆる撲殺ってもので・・・
そして、このタイトルはNever Dream of Dyingは、古代遺跡やmazzereと呼ばれる預言者の伝説(「死を夢見るなかれ」とは、mazzereが誰かの死を夢見ると、その人間は必ず死ぬという伝説)から来ている。

ストーリィ 
事件の発端は、ニースの映画スタジオで起こった。
Doubleshotの事件後、体調も回復したボンドは、本格的にジ・ユニオン追撃を開始する。
そんな中、ジ・ユニオンの一味が、フランスの映画撮影所に潜んでいるという情報がもたらされる。
オブザーヴァーという肩書きでフランス情報部の旧友ルネ・マチスに従い、撮影所に乗り込んだボンドだが、ユニオン掃討作戦は思いもよらぬ展開を見せることになる。ユニオン一味は狂人と化し、猛然たる反撃を開始し、特殊効果用に蓄えられてたガソリンのドラム缶が爆発したのだ。炎は瞬く間に隣接するスタジオに燃え広がり、スタジオでドラマ撮影に望んでいた無関係の俳優やスタッフが、多数死亡するという事態に陥ってしまったのだ。
この結果、マチスはユニオン追撃班の指揮官を解任されてしまうのだった。
そして、同様の殺戮事件が、イギリスの刑務所でも発生し、 その死体が、ジ・ユニオンが極秘に進めている陰謀の発覚につながっていく。
ジ・ユニオンのリーダー、ラ・ジェラントの追跡捜査をしていたボンドは、映画スター、タイリン・ミグノネとのパリへの航海に同行することになる。
フランス出身の映画監督レオン・エシンジャーがジ・ユニオンと関係を持っているという情報を英国情報部が得たからだ。ボンドを再びフランスにむけて派遣した。
タイリン・ミグノネは死の危険にさらされていた。
命を狙われており、航海の最中でも、ボンドは敵との過酷な水中戦を強いられてきた。
彼女は、気性の激しいフランスの映画プロデューサーと離婚をしており、彼はその離婚を快く思っていなかった。
そして、その彼こそがジ・ユニオンのメンバーと深いつながりがある存在であると、発覚したのだ。
パリに到着したボンドたちの前にさらに敵の陰謀が立ちはだかる。
ボンドの旧友であり、現在フランスの情報部のチーフであるルネ・マチスが消息を絶ったのだ。
マチスは独自のルートでザ・ユニオンの手掛かりを掴み、当局には休暇を取ると偽ってコルシカ島に向っていた。ボンドは、マチスの足跡を追うようにして南仏、コルシカに飛ぶ。
マチスの行方を追うボンドの捜査行は、今まで謎のベールに包まれていた「屈折した犯罪の天才」ラ・ジェランドとの最終決戦に、彼を導くことになる。


kl