
「二度目だからよけいまずいのさ」
消されたライセンス
はじめに
キャロライン・ブリスのマニペニーとボンドの関係は、ルイス・マニペニーの淡い恋とも、サマンサ・マニペニーのいじめっ子の恋とも違うような気がするんだ。しいて言えば男と女の間に友情は成立するか?の関係。だからイスマスにいくのはQじゃなくてマニペニーでしょう。ろくでなしのジェイムズに惚れてしまった小娘パムの、経験者は語るの指南役で・・・
とするとボンドをめぐる三人の美女…大人の女のマニペニーみたいなあ。
しかしながら…
はっきりいってこの作品はボンドやない。これがリーサル・ウェポンならいい線いてたかも。べつに鼻血・鼻水、ずたぼろがイヤだとか、髪型悪いだとか、んなモノは差し置いて、なんで今回にかぎってライセンス失効なの? この程度のことなら今まで何回もあったのになんで今回だけクビなのおかしいじゃん。言うこと聞かないと免停だぞ!こういうベタな展開、いちばんヤ。
ストーリィ
フェリックス・レイターが再婚する。レイターはボンドの親友であり、かつてボンドの身代わりに片腕片足を食い取られている。現在はピンカートン探偵社も退職しキーウェストの麻薬取締局にいる。新婦はボンドの古い仕事仲間のデラ・チャーチル。しかし結婚式直前に中米のイスマス共和国を本拠とするフランツ・サンチェスが女性のトラブルからフロリダにきているというのだ。サンチェス逮捕のチャンスが訪れてい た。レイターとボンドの活躍でサンチェスは逮捕されたが、すでにサンチェスは取締局を買収。脱走に成功した返す刀で、レイターの新居を襲撃する。レイターはサメの水槽に投げ込まれるという再度の悪夢にあい、デラもサンチェスの手下によって惨殺される。
復讐劇を開始したボンドの元にMが乗り込んでくる。本来ならばボンドは任務でイスタンブールにいるはずなのに、それを無視して、友人の結婚式に出席したこと、さらに、復讐と称して外国領内ですでに何人もを殺しているからだ。すでに外交問題にまでいたっていた。ボンドは情報部との決別を決意し、単身イスマス共和国に乗り込む。
ボンドの復讐その一
ヘロイン密輸の拠点オーシャン・エキゾティカ倉庫にて
手下Aうじの養殖タンクにとじこめられ窒息死
手下B電気ウナギの水槽に投げ込まれ感電死
サンチェスに買収された麻薬捜査官 エド・キリファー ホオジロザメの水槽に落とされる
クライヴ水中銃の銛取り付けた爆弾によって爆死
手下C水上機から突き落とされる
手下D水上機から落ちる
白いヒーロー
パム・ブーヴィエ
ねらったのかどうなのか、この物語はキャラクターのポジションが逆になっているわけで、
ほんとだったら肉親の仇を討とうとする女。偶然別の目的で同じ標的を追っているボンドが女と出会って茶々入れてくうちに…だ・か・ら、今回はボンドと女が入れ替わってるんですね…ということは、パム一人勝ちなのはあたり前といえば当たり前。
CIAから麻薬取締局に出向しているのパムはサンチェス追跡中、復讐に取り付かれた男と出会う、男はサンチェスに親友を半生にさせられ、しかも親友の新妻までもがサンチェスによって殺されてたのだ…ほらね。
酒にも詳しく、ギャンブルもしたたかに強い。もと空軍パイロットのパムははっきり言って女ボンド。一つだけの最大のなぞは、なぜ彼女ほどのイイ女がボンドごときの野郎にほれてしまったのか…ということである。あんなヒステリー男にだよ。
パムに協力するのはQ叔父さんことブースロイド。
彼はマニペニーのたってのお願いという形で、休暇という極秘任務を受けて、ボンドの救援に駆けつけていた。
黒い悪玉
フランツ・サンチェス
一種野蛮な美貌の持ち主。ナチスドイツ系の母とパナマの実業家の間に生まれる。彼の富と権力は広大な麻薬市場からなるもので。中央アメリカの共和国イスマス・シティの政府を買収し、イスマスから一歩も出ず市場をコントロールしている。
自分に対抗する人間は誰でも買収するか殺すかできるものと信じている。その反面すさまじいばかりの猜疑心を持つ。イスマス共和国の大統領を金で操り築いたイスマス・シティのカジノでボンドはギャンブルの腕と潔さをアピールしてサンチェスに気に入られ、懐の中に入り込み、サンチェスの猜疑心を煽り、自滅へと導いていく。
ボンドの復讐その二
ミルトン・クレストサンチェスの副官。金を横領したと思われ減圧室に入れられ破裂死
ダリオ 肩を撃たれ製粉機の回転する刃の中に落ちる
元クリーン・ベレーのヘラー大佐。フォークリフトのフォークに串刺しにされる
手下Eタンクローリーから突き落とされる。
ウォール街の魔術師トルーマン・ロッジ撃ち殺される
タンクローリーの男Aタンクと激突爆破
タンクローリーの男B携帯式ミサイル・レッドアイによって撃破
ペレスとブラウンとほか四人 タンクローリーのガソリンに引火、爆死
フランツ・サンチェスボンドにフェリックスの肩身のライターで、服に染み込んだガソリンに火をつけられ焼死
タンクローリーの男C燃えるサンチェスのからだがタンクのガソリンに引火して爆死
イグアナ後のロペス元大統領夫人ルぺ・ラモーラに引き取られる
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