愛と死のかげに−ボンド色懺悔−

朝村耕造氏によるもの。ボンドが愛した女性達を回想するというもの。
早川書房エラリー・クイーン・ミステリー・マガジン(現ミステリー・マガジン)の中の記事。
スパイの世界では女は邪魔者で慰安物でしかないという考えと、心の底こから女性を愛したいという絶望的な欲求との葛藤の中、これまで自分が愛した女性達を思い返している。
本編自体は、各作品のラヴ・シーンを抜粋し、「私」のコメント的な解説でつないでいるというもの。
あらためて、抜き出された女性の描写を読まされてみると。つくづくフレミングの文章はセクシーでエロティック。うまいなぁという感じである。
さすが、海軍きってのプレイ・ボーイってところです。
へたな人物紹介より生々しくて面白いって感じかな。
登場する女性達は・・・
ソリテア
ハニーチャイル・ライダー
ジル・マスタートン
テリ―・マスタートン
プッシー・ギャロア
ヴィヴィエンヌ・ミッシェル
ドミネッタ・ヴィタリ
トレーシー
ソリテーヌならぬソリテアなのは、浅村氏のこだわりか。
キッシー鈴木がいないのは、まあ恋愛自体なかったし、トレーシーで締めくくるがベストだからでしょう。
・・・で、もうお気付きでしょうが、ボンドがこの物語で回想するのは、全部、早川書房から刊行された本のヒロインだけなんですね(笑)


kl