ハイ・タイム・トウ・キル

はじめに
意味は、殺しの潮時。
いよいよベンソンの世界でも、スペクタ―級の犯罪組織の登場です。ザ・ユニオンの三部作。
それにしてもナンですが、この作品全体のほぼ3分の1がすべて雪山のサスペンスです。うーん。

ストーリィ

犯罪組織デカダとの闘いをともにし、恋人になったボンドの秘書ヘレナ・マークスベリーとバハマで休暇中のボンドに新たな事件が持ち上がる。
ボンドは「ナッソーの夜」で知り合った、元総督のパーティに出席した。
その際、元総督は“ジ・ユニオン”という犯罪組織に恐喝されているとボンドに助けを求めてたのだ。
元総督は、殺される前に事件を解明して欲しいとボンドに頼んだ。
しかし、ときすでに遅く元提督は喉を掻き切られて死んでしまう。ボンドは犯人を追うが手がかりなく暗殺者も死んでしまう。

スキン17

イギリスではスキン17と名づけられた革命的な飛行機が軍の研究家たちによってロール・アウトされたところだった。
そのスキン17のスペック・データ―を軍を裏切った大尉と研究者ハーディング博士が持ちだし、逃走する。
事件が発覚したとき、残されていたのは大尉の死体だけだった。
Mとジェイムズ・ボンドは、ジ・ユニオンの存在に疑いを持った。
ボンドはスペック・ベーターを奪った。ハーディングの足取りを追い、ジャガーXL8に乗り込みブルッセルに。
しかし彼を見失い、ボンドはホテルで襲撃をうける。
スキン17のスペック・データ―はマイクロ・ドットに置き換えられペース・メーカーの中に隠された。
受け取った中国側は大尉を殺し、ジ・ユニオンのメンバーであるハーディング博士の指示により、中国の諜報部員リー・ミンの胸を手術してそのペース・メーカーを埋め込み、ジ・ユニオンとの契約にのっとって、彼らのもとに空輸する手筈だったのだ。

雪山をなめんじゃねぇ!

スキン17を狙っている組織はジ・ユニオンだけではなかった。
スペックを埋め込まれた諜報部員拉致しようと、対抗組織が行動を起こすが失敗するものの、飛行機はそのままハイジャックされてしまう、
さらに「雪山をなめんじゃねぇ!」でヒマラヤ上空の厳しい天候に遭遇し、世界で三番目に高い山に使用と衝突してまうのだ。
世界は迅速に動いた。
イギリス、中国、ロシア、そしてジ・ユニオン。
それぞれが精鋭を送り込みスキン17の争奪作戦を展開した。
Mはボンドをイートンに向かわせた。イギリスの捜索チームに参加させるためである。
ボンドが編入したのは、スキン17開発においては、MI6とライバル関係にあった、そしてボンドとはゴルフのライバルでもあった、SASのローランド・マーキス侯爵率いる特殊部隊で、軍医官として魅力的な女医ホープ・ケンドールが随行する。
そしてイギリス・チームはエキゾチックなカトマンズの山を目指すのだった。
まるで「バーティカル・リミテッド」ばりの壮絶な雪山のサスペンスの果て、任無を遂行、ジ・ユニオンのリーダーの拠点を突き止める。

黒い悪党

カサブランカに本部が有るジ・ユニオンのリ―ダーが、ブラインド・バーバリという。
ボンドは彼の逮捕に向かい、彼と戦うことになる。
しかし。ブラインドなき後も、既にジ・ユニオンの次の指導者が、世界のどこかで・・・・

そして、この作品の最終章のタイトルは「ワールド・イズ・ノット・イナフ」である。
ジェイムズ・ボンド・ウィル・リターン・イン・・・・ってことですね。・・・・なんだけどここでの意味合いはシビア。
計画を阻止されたジ・ユニオンの、ボンドに対する報復として、ヘレナ・マークスベリーが提督と同じように耳から耳まで喉を掻き切られて惨殺されてしまうからである。


kl