
「私は行動の詩人なんでな」
ゴールドフィンガー
はじめに
本作はシリーズ1、2を争うほどの傑作といわれている。ゴールドフィンガーの怪異さ、陰謀のスケールの大きさ。オッド・ジョブの無敵さといい(笑)。うまく映画にしたもんだということだろう。
一部では金塊を搬送するより、放射能に汚染させた映画の方が理にかなっているというが、町ひとつの住民を皆殺しにして、先に金塊を積んで逃げるギャング団を、現場に駆けつける米軍に対するオトリとして差し向けるなど、結構、考えているぞ(笑)オーリック!
ただ、スメルシュはこの手の作戦にはいつも潜水艦を、味方回収に派遣するけど、ムーンレイカー事件の教訓が生かされてないじゃん! ったく、ロシア人は・・・
いわゆるボンド・カーと言われるものも登場したのもコレ。けど、アストンマーチンBD3の最大の売りである秘密兵器がホーマー。小型の発信機を敵の車とかにくっつけて追尾するヤツだけど、これ、発信機からの音を受診するだけで、スピーカーからの音が大きくなると、近いぞ! 音が小さくなると遠いぞ! というなんともいえない代物。
特筆すべきが、ボンドガールのティリー・マスタートン。映画ではあっさり消えたけど。
最後の最後まで登場。最後までボンドを姉を死に追いやった男として憎しみを持ち、しかもレズビアンで、プッシー・ギャロアに惚れてしまう。しかもはかない最後。
映画では押し倒されて寝返った、ギャロアだけど、原作は殿方のお楽しみのため理由もなく寝返る・・・と、いうよりも、グランドスラムが頓挫した今、ボンドについて、とりなってもらったほうが部が良いと、天秤にかけたんでしょうな・・・女ってヤツは・・・
ストーリィ
メキシコで麻薬組織壊滅の任務を終えたボンドはマイアミの空港で、偶然出会わせた知人デュポン氏(カジノ・ロワイヤルでボンドの隣に居合わせた)の頼みを聞き、ゴールドフィンガーのいかさま賭博を見破って罰を与えた。この黄金に異常なほどの愛情と執着心を持つ男は、実は本部に還ったボンドの次なる標的だったのだ。
ゴールドフィンガーの正体は、スメルシュの金庫番であり、イギリスの金を不正に海外に密輸し、KGBの金庫を潤していたのだ。ボンドは、ゴールドフィンガーを賭けゴルフに引き込んで、序盤戦を制するも、ゴールドフィンガーはスメルシュの最高幹部会議が承認した大陰謀「グランドスラム作戦」を計画していた。それはひとつの街となってなっている。フォート・ノックスの貯水池にGBトリノーレ属の神経毒を投与し、住民を殺害し、無防備となった合衆国の国家黄金貯蔵庫を襲撃するというものだった。
黒い悪玉
オーリック・ゴールドフィンガー
赤毛の怪物みたいな顔で背の低い男。ボンドはいろんな人間のパーツを寄せ集めたような肉体と評している。思想型の科学者タイプの男。冷酷で好色でタフ。
ジル・マスタートン曰く、「女が好きだという人がいるように、黄金が好きなのよ」
趣味、女性を金粉にぬり、金の女を手に入れた気分になること。通常は皮膚呼吸できるように背中を塗らずに残しておくが、ジル・マスタートンは自分を裏切ったとみなされ、背中も塗りつぶされて窒息する。
ゴールドフィンガーの今日の教訓
目がついているのに金(きん)を手に入れないのは馬鹿だ。
目ついてないときは目がつくように細工する。
いわゆる、ナポレオン・ブランデーは飲まんほうがいい
地獄の沙汰も金次第。
金を倍にするには、二つに折ってポケットにしまっておくこと
最初は行きづり、二度目は偶然、三度目は仇同士。
金持ちは友達ができるのは嘘だ。金持ちになると敵の階級や種類が恐ろしく多くなる。
最後にボンドによって加えられた一言・・・
ロシアの熊がイギリスで成功したためしがない
今日のいかさま
ホテル窓から双眼鏡で相手のカードを見、無線で相手に知らせる。
今日の拷問
鋼鉄のテーブルに縛りつれ、又のところを走る回転丸鋸で・・・・
「生きのびよ!」
ボンドが執筆しようとしている、徒手空拳のあらゆる奥義を集めたハンドブック。各国の秘密情報部が作った同種の本のの長所を網羅する予定だった、が、オッド・ジョブの空手をみてショックをうけ、頓挫する。
ボンドが認めてる奥義は、抜き手でみぞおちを突く、手刀でのど仏を撃つである。
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