「おはよう、ボンド中佐。ようこそ永遠の都へ」
ドラキュラ崩御
はじめに
銀色にきらめく流線型のアストンマーチンが、建物の外に停まっている。・・・
・・・スパイはバルコニーに立ったまま、ロンソンのライターで煙草に火をつけた。・・・
「ボンドです。ヘイミッシュ・ボンド」わずかにスコットランド訛がある。
ヘイミッシュとはジェイムズのスコットランド読みだそうです。
キム・ニューマンの書く「ドラキュラ崩御」は「ドラキュラ紀元」「ドラキュラ戦記」に続く3作目。スメルシュも登場
ヘルシング教授にドラキュラ伯爵が殺されなかったら!? というパラレル・ワールドをあっかった物語で、
パンパイアが貴族として人間の上に君臨している世界ななっており、ココに登場するボンドも、吸血鬼の血を体内に取り入れ、パンパイアとして転生している。
ストーリィ
舞台は1959年のイタリア。
前2作で主役級として活躍したチャールズ・ボウルガードも、既に105歳で隠棲中。
彼の周りには、彼を慕う3人のヴァンパイア娘がいて(属性はそれぞれ「タカビーな元婚約者」「エキセントリックなメガネっ娘」「慈愛に満ちた永遠の16歳」)、お互いに牽制しつつ、彼にヴァンパイアとしての不死の力を与えようとするが、彼はその申し出を全て断り、人間として死に赴こうとしている。
一方、ドラキュラはローマ近郊の城で隠遁生活を送っていた。
だが、何回目だか判らない彼の結婚式に出席するために、世界各地から有名人や名のあるヴァンパイアたちが続々と集まりつつあり、ローマの街は狂騒を迎える。
そんな中、100年以上生きている「長生種(エルダー)」と呼ばれるヴァンパイアだけを狙って滅ぼしていく<深紅の処刑人>という謎のヴァンパイアハンターが暗躍している。
そして、イギリスも、狂騒のローマに一人のエージェントを、ドラキュラ伯爵知りつくしたチャールズ・ボウルガードのもとに送り込む。
彼の名はボンド海軍中佐。任務はドラキュラ伯爵の暗殺。
ドラキュラの婚約者アーサ・ヴァイダ公女(普段の格好は黒いビキニの水着とピンヒール)など、様々なキャラが登場し、狂乱の結婚式が幕を開ける!!
率直な感想
これほどのおバカ小説はぜひ映画化して欲しい!
虚実入り乱れる"由来のある人物"たちもが楽しい。
ルーマニアを統べるのはあのチャウシェスク。
映画の都となったローマでの大作映画、「アルゴ探検隊の大冒険」は、この世界ではプロデューサーがディノ・デ・ラウレンティス、脚本をエドガー・アラン・ポーが書き、監督はフリッツ・ラング。
出演にオーソン・ウェルズとカーク・ダグラス、ヘラクレスを演じる俳優はアメリカ人で、眼鏡をかけると知性的に見えるが肉体はムキムキなケントという人(クラークさんなんだろうね)。
お話の狂言回しの一部をつとめる若者が「太陽がいっぱい」の彼だったり、
ストーリィには登場しないけど「ピンク・パンサー」のクルーゾー警部もどうやらこの世界では実在してるらしい。
しかしながら・・・
ボウルガード!あんた死にかけなのにカッコいいよ!っていうか死にかけなのにボンド中佐より強いってどういうことよ(笑)!
ボンド、弱すぎ・・・
を殺害した人物と対決し、自由の女神の王冠
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