一方、2008年5月28日フレミング誕生日に発売の「デビル・メイ・ケア」は、ハードカバー版の総ページ数は304ページ「ゴールド・フィンガー」に次ぐ厚さだそうです。 |
薄くね? ガードナー版ボンドの2/3くらいかい。やたら分厚い本が多いセバスチャン・フォークスにまとめ切れる技量があるのかね。メインストーリーを書いてから、校正のたびにいろいろ付けて膨らましていくフレミング先生みたいなタイプじゃないでしょ。あの方は。 |
ゴールドフィンガーがフレミングの小説で一番厚いのは、後にフレミングがエッセイの中で、「第二章の半分くらいをゴルフ談義でつかっちゃって御免ね」っ謝ってたりが原因だものね。 |
冷戦のうんちく、どのくらいは入るかね。冷戦の設定を生かしつつ、エキゾチックな世界で大冒険らしいから。 |
舞台の1967年は、EC発足の年で、第三次中東戦争勃発(六日間戦争)の年。米軍「枯葉作戦」開始、 中国水爆実験成功、四番目の核保有国、007世界的ブームですからね。 |
ベンソンだったら「007は二度死ぬ」でフレミングが登場させた、自分(ボンド)をモデルにして吐き気のするような三文小説を書いて当てた元同僚の物書きが、自作の映画化がもたらした狂乱の成功を体感せずに死んだことをに思いを馳せてたりのシーンを書いてるよな絶対。 |
それを書いて、燃え尽きてるよね。きっと。でもさ、史実がはいるとフレミングっぽくなくなるよね。フレミングは極力そういうものをあえて排除してきたわけだしね。 |
もと情報部将校が小説書いたという売りにもかかわらずね。史実は一切かかわらないスタンスで。情報部内部描写にも事実は書き込まない。 |
ハメットもそうだよね。ピンカートン探偵会社の社員にもかかわらず、その作品の探偵はあまりにも空想的な産物にしかあえて書かない。 |
けど自分の嫌いなものには事細かく正確に執拗に描写するんだよね、フレミングは。 |
物語の中で思いっきりやっつけるためにね! |
ゴールドフィンガー夫妻や、ローザ・クレッブさんにゃあ、たまったモンじゃないよね。
あとベントレーが復活するよね |
復活? フレミングのボンドは後にも先にもベントレーじゃない。 |
でもジェームズ・ローゼンスタインさんは大喜び。 |
て、誰です? |
ベントレー社の偉い人。ボンドの車をフレミングの作品のものに戻したのはすばらしい! そのころだと、きっとボンドは1967年のTシリーズベントリーを運転してるに違いないって。 |
でもね、わるいけどそれはハズレだな。 |
なんでまた? |
まあ、フレミングにおけるベントレーはこうなってるんだよ。 |
初代 ベントレー・クーペ
1933年に買った軍艦のようなグレーの1930年型クーペで、排気量は4,500cc。特殊増速装置(スーパーチャージャーと思われる)をつけており、古い車ながら時速100マイル出る。航空隊出身の整備員が、自分の車のように大事に面倒をみてくれている。
排気管は2インチで太い音を出す。風防ガラスは、車内から左右のネジを緩めることによって、ボンネットの上に倒すことができる。
ムーンレイカー事件の1週間前に、競争用ミシュランタイヤを装着していた。
ボンドはこの車を「うまく使いこなしている」が、ムーンレイカー事件の時、A20号国道にてドラックスのメルセデスを猛追中、上りカーブで事故に追いやられ、全損させてしまう。
二代目 ベントレー3.4 マークVI
「ムーンレイカー」で全損したベントレーの代わりに、英国秘密情報部が与えてくれた車。
色は前車と同じく軍艦のようなグレー。「ロシアから愛をこめて」において乗っているのも同型と思われる。
三代目 ベントレー・コンチネンタル・マークII
「サンダーボール作戦」で登場。ボンドの自家用車だが、英国中でももっとも贅沢な車といえる。
どこかの金持ちの阿呆が、グレート・ウェスト・ロードで電柱にぶちあてたという車を1,500ポンドで買ったもの。ロールスロイス社で車体のゆがみを直し、機械も新しく付けてもらった。エンジンは9.5気圧のマークIVのものに換装している。
それからボンドは、マリナーズ社にこの車を持ち込み、全財産の半分の3,000ポンドを払って、かなり角張った形の屋根の自動式コンバーチブルに改造した(ボンドはムーンレイカー事件の時、クーペのベントレーを持っていたが、コンバーチブルが欲しいと思っていた)。
外装色はまたも軍艦のようなグレーで、光沢仕上げをしていない粗塗りのまま。座席は黒皮の肘掛け椅子の2人乗りで、後ろはかなりみっともない荷物入れだけ。内張りは黒のモロッコ皮。
ボンドは、日常出くわすどんな女よりも、この車を愛していたが、「どんなすばらしい車でも、しょせん物を運ぶ手段にすぎない」とし、「いつでも荷物をはこぶ体制にしておかなければならない」ので、この「荷車」と称する車を毎晩アパートの前に野ざらしにしておく。
また、この車は「ベルリン脱出」にも登場する。
ビズリーのセンチュリー射場の主任がボンドの車を見て「いい車だなあ」「欧州車でこんな車体の車は見たことがない。特に注文して作らせて?」と聞く。ボンドは、スポーツ型サルーン車というのは本当は2人乗りが適当で、荷室も狭いので、トランクを広くした本当の2人乗りに改造したと教える。「自分勝手な車と言われてもしょうがないかな」と自身も気に入っている風である。 |
イアン・フレミング・パブリケーション公式設定に準じると、「デビル・メイ・ケア」は「ベルリン脱出」と同時期か、直後になるわけ。 |
ほう。 |
さらに「デビル・メイ・ケア」の翌年1968年の「孫大佐」でもベントレー・コンチネンタル・マークIIのオーナーで、それ乗り回して大活躍なわけさ。ボンドさん。つまり選択肢は無い!!! |
ベントレー・コンチネンタル以外がでてきたら・・・ |
ダウトだね。アストンマーチンBD3みたいにクォーターマス課が任務用にベントレーの支給をするなら別だけどね。 |
もしベンソンや、カードナーが『デビル・メイ・ケア」書いてたら、そこは押さえてるだろうね。フォークスは・・・無理だな。ベンソンみたいなオタク・スピリッツやガードナーみたいな職人気質は持ち合わせてなさそうだし。 |
さっそくコラが出てます。 |
おー。Nice art, Nice jonathan cape |
やめい。 |
鋸とか鉈とか斧じゃなくてよかったね |
やめって。 |
「ロシアから愛をこめて」からのこのモックアップをバックにしたカバーアート、原作ボンドのトータル・イメージになってるんですよね。ガードナー版の初期作品でも継承している。 |
     
フレミング
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ガードナー
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この「oo7は二度死ぬ」の裏表紙なんですけど、みえますか? 「二度だけの生命」って日本語があるんですが、これフレミングが日本語訳した邦題なんですね。 |
やっちゃいましたー・・って感じですね。 |
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