
「なあ、君。今夜、人殺しをするのは私なんだよ」
ベルリン脱出
はじめに
この短編を最高の名場面に仕上げたのは「リビングデイライツ」。まさに原作とおりのというところか。なにかといわれているジョン・グレンだが、短編のツギハギでなく。長編の映画化でその真価を見てみたいなという思いはあります。「カジノロワイヤル」なんて格好な素材だと思うんだけどな。
ストーリィ
ソ連に潜入している272が戦略核兵器実験のデーターを持って脱出した。
東ベルリンまでたどり着いた。そして明後日にでも境界を越えようとしていた。(この時代ベルリンの壁はまだできていない)しかし、このことはソ連の二重スパイによってKGBにもたらされ、東西ベルリンの境にある十字路において彼を狙撃するエキスターゼ作戦が開始され、狙撃手に暗号名トリガーが派遣されていたのだ。
oo7の任務はベルリンに赴きトリガーを狙撃、射殺せよというものだった。
境界を挟んで立つ両ベルリンの建物を通してトリガーとボンドは向かい合う。
潜伏中、緊張感と人を殺すことに対する鬱状態を紛らわす楽しみをボンドは見つけていた。信じられないことだが、東ベルリンで演奏会を行っているオーケストラの中の、金髪のチェロ奏者に、彼は一目惚れしてしまったのだ。
だが、トリガーの正体は彼女だった。ボンドはねらいを外し、彼女の左腕を狙撃した・・・
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