「遅かれ早かれ、人は死ぬものだ」
(マーティン・キャンベル、クランク・イン時のインタビューより)
カジノロワイヤル
監督: マーティン・キャンベル
製作: バーバラ・ブロッコリ
マイケル・G・ウィルソン
製作総指揮: アンソニー・ウェイ
カラム・マクドゥガル
原作: イアン・フレミング 『007/カジノ・ロワイヤル』(東京創元社刊)
脚本: ニール・パーヴィス
ロバート・ウェイド
ポール・ハギス
撮影: フィル・メヒュー
プロダクションデザイン: ピーター・ラモント
衣装デザイン: リンディ・ヘミング
編集: スチュアート・ベアード
音楽: デヴィッド・アーノルド
はじめに
カジノロワイヤルは「殺しのライセンス」を得る前のジェームス・ボンドを描いたものです。しかしボンドはあくまでも危険な男であり、たちどころにプロフェッショナルな暗殺を成功させると「OO7」の地位を獲得します。
「OO7」としての最初の任務はマダガスカルでテロリストのモラッカ(セバスチャン・フォーカン)をスパイすることでした。しかし全てが計画通り運ばず、ボンドはテロリスト・グループをを追跡するために
MI6の任務とは異なる独自の調査を行うことを決心します
。手ががりをおってバハマに向かったボンドはディミートリオス(サイモン・アブカリアン)と彼のガールフレンド、ソランジェ(カテリーナ・ムリノ)に出会います。そしてボンドはディミートリオスが、世界のテロリスト組織に資金を提供している
シフレ
(マッツ・ミケルセン)と関係していることをしります。
集めた情報からシフレがモンテネグロのカジノロワイヤルで大金を賭けたポーカー賭博を開き、資金を集めようとしていることが明らかになります。
シフレは顧客であるテロリストに供給する組織の資金を、
株式運用で失敗し
自らの安全を確保するために損失を取りもどさねばならないからです。
MI6はシフレが負ければシフレが所属する組織に壊滅的な打撃を与える見て、ボンドにシフレと
賭博で
対戦するよう命じます。
Mはミッション達成のためにやむを得ず資金をボンドに託しますが、ボンドをMI6の財務担当のヴェスパー・リンドの監視下に置きます。最初はヴェスパーをやっかいだと感じていたボンドですが、危険な任務やシフレによる拷問をともに潜り抜けるうちにボンドは彼女に惹かれていきます。
モンテネグロでは
MI6の現地諜報員マティス
(ジャンカルロ・ジャンニーニ)とCIAのフェリックス・ライター(ジェフリー・ライト)と手を組みます。策略と暴力にまみれたこの長い戦いは予想を超えた危険をはらみながら
恐ろしいクライマックス
へと向かっていきます。
出演:
ダニエル・クレイグ ジェームズ・ボンド
エヴァ・グリーン ヴェスパー・リンド
マッツ・ミケルセン ル・シッフル
ジュディ・デンチ M
ジェフリー・ライト フェリックス・レイター
ジャンカルロ・ジャンニーニ マティス
サイモン・アブカリアン アレックス・ディミトリオス
カテリーナ・ムリーノ ソランジュ
イワナ・ミルセヴィッチ ヴァレンカ
セバスチャン・フォーカン モロカ
ストーリィ
英国秘密情報部に所属する"ジェイムズ・ボンド"は、知力体力共に飛びぬけた素質とキャリアを買われて"OO"昇格を目指していた。別名"殺しのライセンス"と呼ばれる"OO"を取得すれば、任務遂行中は自分の一存で人を殺してもよいという特権を得る事ができる。昇格の最後の条件、それは2件の"殺しの実績"だった。1件目ではてこずったボンドだったが、2件目は大物だったが瞬時に決める事ができた。
"ボンド"の最初の任務は、世界中のテロリストの資金源である"謎の男"の正体を突き詰めること。ボンドはマダガスカルで"謎の男"に雇われた"爆弾男モロカ"を追いかけるが、フランス大使館に逃げ込まれてしまう。だがボンドはその男をその場で射殺してしまう。国際ルールを破ったボンドの行動をマスコミが非難し、MI6のM誘致に立たされる。しかし、ボンドは死んだ"爆弾男モロカ"の携帯に残された謎のメッセージの発信源バハマへと飛ぶのだった。
"爆弾男モロカ"にメールを送ったのは、元諜報部員で今はテロリストに武器や情報を売る"ディミトリオ"だったと判明、ボンドはその"妻のソランジュ"に近づく。彼女から"ディミトリオ"がマイアミ空港へ向かうという情報を得たボンドは、尾行に気づき逆襲してきた"ディミトリオス"を殺害。彼から金を受け取った"新たな爆弾男カルロス"を追跡する。
"カルロス"の狙いは、空港でお披露目される最新鋭の航空機だった。ボンドが到着した瞬間、滑走路は戦場に変わった。着陸寸前の飛行機まで巻き込んだ激しいカーチェイスの果て、ボンドは爆破装置に手を掛けた"カルロス"を間一髪で射殺する。
"ディミトリオス"を調べた"M"は、彼が手を組む"ル・シッフル"こそが"謎の男"だと知る。彼に資金を預ければ、テロリストたちは砂漠のど真ん中でも金を調達できるのだ。他にも株を買占めた航空機会社の飛行機を爆破して株を暴落させて大金を得たり、預かった金をモンテネグロのカジノ・ロワイヤルのポーカーに掛けたり・・・敵はまさに死の商人だった。
"ボンド"の爆破阻止で大損したはずの"ル・シッフル"をポーカーで破産させ、テロリストから守ることを引き換えに何もかも白状させる、それがMからボンドへの次なる指令だった。
国家が"ボンド"に許した掛け金は1,500億ドル。財務省からの監視役"ヴェスパー・リンド"が送り込まれる。
ボンドの恋人という設定で美しく着飾った"ヴェスパー"と、応援の"諜報部員マチス"が見守るなか、遂にポーカーゲームが幕を開ける。
舞台裏では血を流した別の戦いもあった。"ル・シッフル"から金を取り戻しにきたテロリストと"ボンド"が、"ヴェスパーを"巻き込んでの死闘を繰り広げたのだった。その夜、ショックで立ち直れない"ヴェスパー"を"ボンド"はやさしくいたわるのだった。
白熱したゲームのなか、"ル・シッフル"がはったりをかけると、目元が痙攣すると確信した"ボンド"は、全額を掛ける大勝負に出るが、それは"ル・シッフル"の罠だった。"ヴェスパー"に予備資金の投入を拒否された"ボンド"に、"CIAのレイーター"が資金提供を持ちかける。再び登場した"ボンド"に脅威を覚えた"ル・シッフル"は、"恋人のヴァレンカ"に"ボンド"の酒に毒物を混入させる。"ボンド"は駐車場のアストンマーティンに転がりこむと、PCで接続した本部の支持にしたがって、処置をするが、意識は遠のいていく。彼の命を救ったのは心配して駆けつけた"ヴェスパー"だった。
死の入り口から生還した"ボンド"に勝利の女神が微笑んだ。命を掛けた戦いを共に切り抜いた"ヴェスパー"に今や"ボンド"は、抑えきれない愛情を抱いていた。しかし"ヴェスパー"はどこか落ち着かない風情で立ち去ってしまう。
何かがおかしい。"ボンド"がそう感じた時"ヴェスパー"の悲鳴が響いた。彼女を拉致したクルマを猛スピードで追う"ボンド"。その時、ヘッドライトの光は横たわるヴェスパーの姿を照し出した。急ハンドル、横転するDBS。気を失った"ボンド"。彼が目を覚ました時、そこには"ル・シッフル"の姿があった・・・。
kl