ジョン・ガードナーに続く原作シリーズの後継者であるレイモンド・ベンソンの長編の処女作。
ガードナーの小説が、50年代のフレミングの原作が80年代にも適応できるために、映画的要素を取り入れてリメイクすることが目的だったことに対し、
ベンスンの小説は、原作シリーズと映画シリーズの一本化・・・映画シリーズのスピンオフ小説として機能する原作シリーズの再構築を目的として書かれている。 |
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二代目で〜す。 |
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三代目・・・ |
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えーと、今回の任務は、先日出版された。「ゼロ・マイナス・テン」について語りつくそうと・・・。ようはただの感想なんですけど。ということで。では三代目お手柔らかによろしく〜 |
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そう・・・って。お手柔らかはどっち?・・・・。まあ、大抵のOO7ファンというと映画ファンなわけで、40周年、20作目ということでなんですが、この「ゼロ・マイナス・テン」の本のオビ「OO7誕生50周年!
ジェイムズ・ボンドがポケミスに帰ってきた」は・・・・ |
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完全に映画OO7関係者に対する戦線布告ですね。我々はわが道を行くというか、三行半というか。 |
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Σ(゜Д゜)こっ、こらぁ、前はァァァァッ!!! |
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ノベライズやガイドブックで定着しているのにあえて、レイモンド・ベンスン。とかねえ〜。ノベライズは切り捨てとかぁ〜。いまあえて、フレミング財団公認とかあ〜。 |
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・・・・それは強引に誘導しているとしか・・・・ |
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でもね。本当は50周年でないのに、50周年というのは、映画40周年に対する牽制としか〜 |
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違うの? |
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それがね〜違うといえば違うし、あたりといえば、あたりかも〜 |
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どっちなの? |
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え〜っとね〜話すと長いんだけど〜。「カジノロワイヤル」が出版された年から計算すると来年が50周年。しかし! |
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・・・・ぇ? |
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1952年5月12日にフレミングが原稿を脱稿したその日から数えて、今年で50年目!
って、これを、あてつけといわずして何と・・・ |
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Σ(゜Д゜)こらこらここらぁ! |
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いやね〜やるなハヤカワというか〜 |
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まあ、解かったのは、ミステリー小説としてのOO7のファンって、実際結構いるんだなあって。ポケミスがでる固定ファンの数といい、ポケミスとしてあの厚さで1100円という安さは、ある程度、数がさばけるということでしょう? |
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レイモンド、ついにペールを脱ぐか、化けの皮がはがれるか? すくなくとも二つのノベライズについては、なんか小説になってないプロットを読まされた感じで、同人レベルと呼ばれたり、ファン・フィクションと言われたりで、散々だった半面、完全オリジナル小説を原文でよんだジャパニーズはフレミング・スタイル・・・文体、テイストを守った傑作なんていってるし・・・ |
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あえて今、言っちゃえば、彼らジャパニーズの褒めるフレミング・スタイルって、ただの楽屋落ちネタ満載〜うれしいなあイエッフ!
でしかなかったわけで(;´<`) |
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・・・・言っちゃった |
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・・・・で、どうだったの? 読んで |
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うーん、キャラクター整理して、次の年の「トゥモロー・ネバー・ダイ」と合わせて一本の上下巻に再構成したほうが・・・・・。でもさ〜なんで彼が後継者にえらばれたのかなあ? だってレイモンドって後継者の選定基準にかすりもしないじゃないですか。 |
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たしか、イギリス人で、ミステリー小説のジャンルでは代表作と呼べるベストセラーがある作家だったよね。レイモンドは、アメリカ人で投資情報会社の社員で、副業は舞台監督・・・確かに接点はない・・・・ |
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・・・ねえ、ファン・クラブの副会長やってて、ボンド百科事典みたいなの書いたって理由だけで、後継者になったって訳じゃないよね、ね、ね!? お願い、うそだといって! |
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いや、そうかも |
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・゚・(ノ<`)・゚・。 |
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こらこらこら |
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だってレイモンド、いまやフレミング財団の理事じゃないですか。ということは、理事が自ら引退宣言をするまで、一生、理事の書き下ろし小説を読みたまえってことでしょ・゚・(ノ<`)・゚・。 |
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でも、回を追うごとによくなって来ているとも言われているらしいよ。 |
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でも、理事書き下ろしが続く限り、小林浩子女史が訳担当なわけで。(゚∀゚)ノ |
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安泰ですか。そうですか。 |
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小林女史、あなどりがたしですよ〜。なんせ、ボンド書いて原稿料もらってるライターが、全員、ドイツもコイツも抜かりなくタイガー田中のアレを、日本の情報部といっている中で、ただ一人「公安調査庁」と正しく明記してましたから。 |
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マイルズ卿曰く、日本独特の我々には発音できない綴りで呼ばれている組織ですね。 |
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えっと、今入った情報によりますと・・・「ゼロ・マイナス・テン」重刷されたそうですよ! |
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すっごいじゃないですか! |
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最初何冊刷ったかは内緒らしいのですが・・・少なくともシリアル・ナンバーふったら、あたしのは一桁だったのっていうのは、イヤだア〜
・・・・ということで、よしなに。 |
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気を取り直して、本編。謝辞・・・すごいね |
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これだけの方の力を借りてのこのていたら… |
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Σ(゜Д゜)こっ、こらぁァァァァッ!!! |
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いえ、映画ならノリで押し通すことができるけど、小説じゃあちょっとってものがあるんですよ。 |
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冷静に考えるとね。ユーラシア社の船がアヘン密輸をしてる。ユーラシア社を標的にした爆弾テロ頻発。オーストラリアで原爆どっかーん。Mはテロの黒幕を探せと言うのに、物語はアヘン密輸の黒幕サッカリーの調査で話がすすみ・・・。 |
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密輸船調べたら、オーストラリアで爆発した原爆の片割れを運んじゃいましたっていう運送記録を見つけちゃいましたあ・・・という、てい… |
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あのさあ! これッて何で英中戦争の危機になるわけ? |
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(´<`)ノ ハーイ 香港の経済の基盤となってるユーラシア社へのテロは、中国にくれてやるくらいならいっそ破壊してしまえの、イギリスの焦土戦であるとみなして、それを阻止するために軍をおくるぞーってことです。 |
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で、返還前に中国が軍を送り込むのなら、こちらも軍隊送り込んで戦争しちゃるぞってのが今回のイギリス言い分でしょ。 |
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ところが違うンですよ、奥さん。 |
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でしょ。返還前の現在はとりあえず英国企業であるユーラシア社なわけで、イギリスの経済を崩壊させるために中国はユーラシア社にテロを仕掛けてるから、中国やっつけに軍隊派遣しちゃるというのが、今回のイギリスの言い分。 |
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10日後には中国の企業になっちゃうのに・・・ねぇ |
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自分で自分の首を絞めるわけないでしょう、中国。 |
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イギリス人特有のユーモアですかね? |
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黒幕、謎なんだよね。 |
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そうですが、何か? |
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普通、ミステリーのセオリーだと、会社重役皆殺しとかだとか、そういうケースの場合、大抵、生き残ってる人が犯人なのは常套手段だとおもうのですが・・・・ |
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がんがれ、レイモンド(*゚<゚)ノ。+・゚・ |
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逃げたな。 |
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やっぱり、こういうのは枝葉の楽屋オチを愉しむのが正しい鑑賞の仕方だと思うのですが・・・冒頭から、さあ「葬儀屋の風」キタ━━━(゚∀゚)━━━! |
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ボンドの別荘って、これゴールデンアイのことでしょ、ジャーナリストにして作家が持ち主だった別荘って。 |
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シェイムレディ荘って名前は、ゴールデンアイって名づけられる前の名前なんですね。実際は。 |
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ということは、ボンドの物語世界では、
ボンドは「自分をネタにした小説を書いて、散々ぼろ儲けした、親友であるはずの某作家の別荘」を買い取ったってことになるわけで・・・ |
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江戸の仇を長崎で討つ! |
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いや、それは違うとおもうぞ(汗 |
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あたしねー冒頭の暗殺者が、ASPを出した時点で、あ。これは情報部の演習だと見破ったぜ! |
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そこはねぇ、気づいてニヤリとしてもらわないと、いけないところなの。 |
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固まった・・・ |
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しっかしさあ、このシングル・オーとかいうバカップル。なんか任務というか昇進試験そっちのけで肉欲優先のバカップル。 |
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KGBじゃなくても、美人局送り込んだら一発で轟沈ですね。 |
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しかもそのバカップルに合格点つけるボンド・゚・(ノ<`)・゚・。 |
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MI6が新聞に情報部員募集の広告出したのってこの頃だったよね。 |
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ここら辺はロコツに狙ってますね。
「私のキックは絨毯たたきとは比べ物にならない」
「えっ」ステファニーは聞き返した
「なんでもない」ボンドは・・・・ |
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50年前、絨毯叩きでネをあげてた く せ に ・・・ |
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第二章「三つの事件」はスルーでいいですよね、まあお約束ですし・・・ |
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意義あり! |
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あ、あのどちら様で・・・ |
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スタミナ測定しか出来ない、河原医者。 |
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黙れ。嫌われ度ナンバー1の意地悪秘書。 |
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き、きらわれてないもん! 乙女心がわっかんない日本人が多すぎるだけだもーん |
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あ、あの。お伺いしたしたいことが・・・ |
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そうよ。どこが意義ありよ |
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あんなマッチョなアルビノなんて、医学的にも遺伝的にも存在しません。どっかの小説家が血友病の女の子なんて書いてしまうほどの致命的ミスです! |
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いえ、その・・・河原医者って・・・なに? |
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腕の悪い医者をヤブ医者。やぶ以下の医者は草医者。草すら生えない川原医者。 |
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あ、あんたね! あんたねえっっ! こらっ、逃げるな! |
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殿下・・・また少佐のトコに茶々入れに来たのかな・・・。やぶとは植物の名前です。念のため。 |
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第三章、第四章はむごすぎます! |
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Mとボンドの会話が、ガイドブックと百科事典と歴史の本をそのまんま引用、丸写しなんですよね。 |
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そう、だから、大根役者がセリフ棒読みって感じ。オスカー女優とあろう方が、素人丸出しの棒読みでもう、大笑い! もうおっかしー。 |
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何か可笑しい事でも? |
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えっ、あの、い、いえ・・・聞かなかったことに…してください…… |
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聞かれたくなかったら、言 わ な い ことね。 |
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えっと、ここではリージェント・パークからテムズ河のインテリジャント・ビルへの移動をさらりと描写しています。フレミングは外務省・陸軍管轄のMI6とは別の国防省・海軍管轄の架空の情報部を設定してましたが読者の方でMI6説が一人歩きしてまして、ジョンガードナーも外務省出向とか結構、折り合いをつけるのに苦労していた部分です。 |
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秘密にしなくてもいい秘密情報部というのが象徴的ですね。ここで組織の名称がSISと呼ばれているは。SISが正式名称で、MI6は俗称だったからでガードナーも正式名称を使ってました。映画シリーズがどっちを使うかまだ決めかねてたんですね。 |
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新キャラへレナ・マークスベリーです。のちのちシリーズでは重要な役割をになってしまう人物になります。ネタばれは…だめですか。そうですか。でもジ・ユニオン三部作まで出版してくれるかどうか・・・・。
ところで、キャラクターのモデルは、「ゴールデンアイ」のキャストをイメージしてるんでつよね? |
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そうだけど。 |
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ペニーのモデルは絶対あなたじゃない。 |
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どうせあたしは、冷たくて陰険だって、女心のわからん鈍い男どもからおもわれてますよーだ! |
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ベンソンのマニペニーはガードナーのマニペニーを引き継いでいますね。でもガードナーはフレミングのマニペニーをそのまま小説には持ってこなくて、映画のマニペニーの雰囲気をもってきたんですね。 |
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こんな雰囲気 |
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原作のマニペニーは、そりゃツンとして、そっけないのよ、貴女みたいに |
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あたしじゃなくて、女心もわかんない朴念仁どもが悪いのよ!
そーゆーあなたは、ポルノ映画に出てくるオフィス・ラヴ目当ての社長秘書みたいな演技しちゃって、さ! |
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あなたの次のセリフは「映画のマニペニーは、原作のグッドナイトをイメージにしてますね」だ。 |
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帰る・・・。 |
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帰んないで帰んないでお次はQのコーナーよ。 |
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映画のシーンをただ文字に起こしただけ。 |
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中国入国よ。T.Y.ウーよ。矛盾点ない? ほら60年代から97年までずっと支局員やってのに、ディクスンとか「覚悟はいいかねボンド君」の駐在員と接点はとか。 |
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ディクソンは前任、支局員は永住だけど駐在員は一時滞在。それに「覚悟は〜」は内部に裏切り者がいるため支局を通さずに、駐在員個人にMは指令しただけ。 |
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さ、サッカリーの話をしましょう! |
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甘いヤツ。 |
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それはサッカリン! |
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つまんないね。マージャン・シーン。アガサ・クリスティからの英国ミステリーの伝統なのにね。マージャンの手をみて探偵が性格分析をするのは。
ボンドのカードのやり方あるじゃない。ボンドの癖というか。けっこう独特なカードの手口。 |
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負けが込む前に手を引くから一件巧妙に見えるけど、実はただの運任せの力技。 |
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そうそう。とすると、ボンドのマージャン、ぜったい哭きの竜なはずなのに。 |
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セオリー無視して、ポンとかチーとか連発していくんですね。サッカリーいらいら、ウーおろおろで・・・ |
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その人物、およそこの世のものとは思えぬ強運で、鳴けば必ず上がり、鳴くたびに牌に命を刻み込む。人はいつしか彼を「哭きの竜」と呼んだ。
そして、シャキン、シャキンと、小気味の良い鳴き、吸い込まれるようにツモ。ドラ。満貫。これが竜。哭きの竜!
「あンた、背中が煤(すす)けてるぜ。」 |
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「早く切りなよ。時の刻みは、あンただけのものじゃないんだ。」
ボンドのいかさまの、顔の一部をさわって合図なんて、初歩の初歩ないかさまだよね。サッカリーのいかさまは、自分の牌と捨て牌を人知れず、すり変える。酔ってもそれだけのことができるのに、顔さわり合図を見破れないなんて・・・ |
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次、行きましょうね。 |
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いよいよヒロイン登場です。魅力ないね。物語に必然性がないからキャラ立たないんだよね。 |
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境遇的にはハニーチャイル・ライダーですね。身内はおばあちゃんだけとか、不幸な身の上とか、今の環境から逃げ出したいとか。 |
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ハニーチャイル自体も物語にはなんら必然性のないキャラクターだったけどね。殿方のカメリア(椿姫)コンプレックスをがっちりとつかみましたね。 |
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健気さ。人生に対する姿勢でしょうね。スンニーは愚痴が多すぎます。 |
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ボンド小説初の、濡れ場シーンの直接描写まであるのにね。しかもカンフーの達人でもあるのにね。 |
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逆にそれに頼りすぎて、セリフ回しや、描写が、たとえば仕草や小道具とかの使い方とか、どんなしゃべり方をするのか、そこの作りこみがおなざりになってしまった。ほいっ次。 |
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えっと・・・・ |
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香港上海銀行の追っかけっこは最高ですね。さすがロケハンしただけのことはあるじゃん。(゚∀゚)ノ |
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掛け合い、駆け引きが絶妙でしたね。 |
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で、いよいよ。サッカリー、リー・シュナン、ウォン将軍の悪党勢ぞろいになるわけですが・・・・ |
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大詰めですね。誰からいく? |
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リー・シュナンの男っぷりがいいですね! いい男の条件はまず「約束を守る男」、「男に惚れることが出来る男」ですね。珍しくくぢぐちぐちぐちたれてるけど、リーとボンドには絆ができたわけで。 |
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ラストの原爆爆破の攻防戦で死んじゃうけどね。これまたヘミングウェイが生きてたら褒めてくれそうな、死を受け入れてなお立ち向かう、男気あふれる死にッぷりでしたが。仕方ないのかな、生かしておくと犯罪者とボンドのパイプが出来たままで後々やっかいだから。 |
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マルク・アンジェ・ドラコはなんなんだ。不公平じゃないか。 |
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いや、その・・・・次、汚職将軍 |
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昔さあ、ボンドのパロ書くならどっかにトレーシーの思い出入れときゃいいってのがあったじゃない。 |
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はいはい。 |
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一作目ですので、ベンソンもボンドに自分のせいで死んでいった同僚、女達を回想させるんですね。ウーもボンドのせいで死んじゃうし。 |
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ヴェスパ、メインですね。 |
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当然です。 |
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トリはトレーシーですが、その間の三人って? |
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全部ガードナーの作品からです。フレデリッカはガードナーの最後の三作にレギュラー出演してるボンドの婚約者。ホーナーは「スコーピアスの謎」で、イージーは「デス・イズ・フォエバー」に出てくるCIA要員。 |
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あのさ、クォーレルは? シャーキーは? ウーとまったく同じ境遇で殺されたショーン・キャンベルは? イスマスのニック・ファロンは? 漢の中の漢ダーコ・ケリムは? |
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あん畜生の頭の中は、女のことしかありません! |
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いっかい酷い目にあえばいいんだ。 |
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というわけで、汚職将軍にとっ捕まって、本家シンガポールの籐の鞭でもっての鞭打ちの刑になります。 |
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シンガポールで10回鞭打ちの刑というと死刑と同義語で、10行く前にショック死するというんだけど。絨毯たたきより楽だったってことなのかな。 |
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ほら、英国紳士って、世界で一番スパンキングの経験が豊富な男達ですから。 |
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ねえ。 |
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ねぇって・・・ちょっと・・・ |
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エリオット・カーヴァーのお父上も愛好した英国紳士貴族の高貴な趣味ですから。 |
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ほら。 |
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ほら、ほらって・・・あ・・・あ・・・あ・・。 |
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更に英国貴族の、紳士のたしなみとして、こんなのも有名です。 |
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Rさん!? Rさんっ、Rさぁぁぁんっっっ!! |
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この作品で繰り返し言われているのは、百年前の英国政府のズサンな政策のせいで、香港島返還によって、香港の市民はいわば中国に売り飛ばされてしまうわけで、香港市民を裏切った英国に対する怒りがあるわけで、サッカリー自身も英国の悪政に対する被害者なわけなんですよね。 |
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でもそれだけなら、返還後中国でもなんとかサッカリーはやっていけるはずだったんだけど、悪いことに、100年前の顔も知らない祖先がたちが交わした約束で自分の会社まで取られてしまう。そりゃもう、酒に溺れたくもなるは、死ねばもろともと思いたくもなるわで、逆に同情したくなっちゃうんですね。 |
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このシリーズにとって敵役が悪役でないということは。致命的なんですね。香港を壊滅させることによって多大なメリットがサッカリーに入ってくるというものなら、まだ、モチベーションがたもてるんだけど。 |
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で、香港を原爆で壊滅っていうのも、オーストラリアのウラン鉱脈を発見したからってのはリアリティないよね。 |
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この部分、原爆を作るに原料と手段と専門知識があればいいということで、技術者をサッカリーは見つけてきたことになっているんだけど。海運業のサッカリーがどうやって技術者をみつけ、説得して、スカウトして、原爆を作らせたかが全然皆無なのよ。もうこれで、ファン・フィクション。同人レベル。 |
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原爆製造サイトは実話として、問題はどうやってヴァンブラルカムリ博士をスカウトしたかでしょ。フレミングはその部分をいかにリアルに書くかに、説得力を持たせて書くかに心血を注いでいたわけで、その部分をおなざりにしないことが、小説の重要な事だと指摘していたのにね。 |
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まあそれにあれですよ。ボンドを捕まえた時の彼のセリフ
「…かねがね不可解で成らなかったんだ。アクション映画ではどうして悪い奴らはヒーローを即座に片付けないのだろうかとね。拷問にしろ処刑にしろ必ず手の込んだことをするのがきまりだ、ヒーローはその猶予を利用して脱出する。だから今すぐ君を射殺すべきだ。そうだろ」 |
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だったら、今すぐ、その場で射殺しろ! |
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ボンドの死体が見つかると困るから、誰にも発見されないジャングルの奥につれてって射殺するっていってるけどさあ… |
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だったら、殺してから、ジャングルに捨てに行けばいい! |
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ラストのMは粋な計らいですね。小言たれてた割には、スンニーのパスポートは手配していたし、マイルズ卿からの伝統で、命令違反の謹慎三週間という名の「慰労休暇」 |
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ここで、やっとこさ、自分の事で酷い目にあった方々の男篇も思い出したようですね。フェリックス・レイター、“ダーコ”ケリム・べイ、クォーレル。 |
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さて、「ファクツ・オブ・デス」はでますかね? ぢつはこっちの方が楽しみなんですが。 |
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竹書房の「ダイ・アナザー・デイ」のノベライズと張り合って出版してくれたら嬉しいんですけどね。次回は「ダイ・アナザー・デイ」でお会いしましょう。 |
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えー、やるんですかあ。わたし無事に夜道は歩きたい。 |
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今回このレビュー形式を参考にさせていただいたサイトの、某アニメーションのレビューよりはけっこー好意的ですが・・・と思いたいのですが。それにお金払ってやってるわけで、お金もらってやってるわけじゃないしね。ホンネは語れませんなあーというわけでもないし。 |
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とにかく、過渡期を過ぎた作品、長く付き合ってきた作品については、思い入れの深さに対して満足度は反比例していく傾向が強くなりがちで、愚痴や悪口が出やすくなるものなので… |
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その部分だけを取り上げて、「キライならファンやめたら」と言う前に、その作品たちともっと深くつきあってみたら? ということで、よしなに。 |
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