「どうやら、2000年問題らしい」

THE WORLD IS NOT ENOUGH:ワールド・イズ・ノット・イナフ
1999年(99/11/19全米、00/ 2/ 5日本公開) 128分 イギリス
監督:マイケル・アプテッド
原案:ニール・パーヴィス、ロバート・ウェイド
脚本:ニール・パーヴィス、ロバート・ウェイド、ダナ・スティーヴンス、ブルース・フィアステイン
撮影:エイドリアン・ビドル、B.S.C.
音楽:デヴィッド・アーノルド
出演:ピアース・ブロスナン、ソフィー・マルソー、ロバート・カーライル、デニス・リチャーズ他
はじめに
「ラ・ブーム」で一躍フランス映画界のアイドルとなり、今やフランスを代表する国際女優にまで成長したソフィー・マルソーが登場の「20世紀最後の任務」
今回のお題目のパイプ・ラインは日本にはなじみが薄いですね。主役はMでしょう。Mに限らず情報部の面々の充実されてきているのが、シリーズとして映画を見るにはお楽しみだけど、脇を固めていかなけばならないほど、ボンド自身の吸引力がなくなってきてしまっているのが不安といえばふあん。ボンド・シリーズからMI6シリーズへの移行が始まってしまったのかな?
原作と映画の関係
「ワールド・イズ・ノット・イナフ」の言葉は、「女王陛下のOO7」でヒラリー卿がボンドの先祖ではないかと推測する人物。
1387年に荘園主となった、ル・ボン卿に始まるボンド准男爵だという。
映画では「世界だけでは狭すぎる」という感じで使われていたが、意味合いとしては、「すべてを手に入れたのに、何かが足りない」というニュアンス。 「ハイ・タイム・トゥ・キル」の最終章のタイトルも「ワールド・イズ・ノット・イナフ」である。
ストーリィ
ボンドはスペインのスイス産業銀行へ行く。石油王であるキング卿が、盗まれたロシア原子力局の極秘書類を300万ドルで買い取るためだ。さらにボンドは009の殺害に関係しているはずとその犯人の名前を聞き出そうとする。銀行家は口ごもるが、秘書に扮した女殺し屋に殺される。300万ドルはキング卿に返還される事になるが、実は紙幣に仕掛けがされていてキング卿のつけるピンに反応して、MI6内で爆発した。近くのテームズ河から誰かが見張っていた事に気づくボンド。銀行にいた女殺し屋だ。殺し屋は逃げるが、ボンドは追跡を開始。殺し屋は自爆する。
MはMI6の面目もあるし、何としても解決しろと指示。キング卿は、かつて娘エレクトラが誘拐されたのだが、ボンドは、300万ドルと言う金額が、誘拐したテロリストレナードが要求した金額と一致する事に気づく。
Mは009にレナード暗殺を指示し、それは失敗したのだが、弾丸が脳に残り、レナードは神経が麻痺し、痛みを感じない怪物となったのだ。続く標的はエレクトラだと言う話になり、ボンドはMの反対を押して、護衛の任務に就く事に。ボンドは石油基地のあるアゼルバイジャンへ。そこでエレクトラと会う。
ボンドはエレクトラのお供でバクーのカジノへ行き、ボンドはキング社警備主任ダビドフの車で、ロシア人科学者アーコフの死体発見。アーコフに化けて迎えに来たロシア軍輸送機へ。輸送機は旧ソ連軍の核兵器試験場へ。そこで男嫌いの核兵器専門家クリスマス・ジョーンズ博士と会う。
この試験場に潜り込んでいたレナードが、核弾頭を奪おうとしていて、かけつけたボンドとにらみ合いになるが、ジョーンズ博士はボンドがニセ者の職員だと気づき、もめてる間にレナードが逃げ出し施設は爆発。
逃げたレナードは、核爆弾をキング社のパイプラインに仕掛けたらしい。しかも時間はわずかしかなく、除去できるのはジョーンズ博士しかいないと点検用の移動者に乗ってボンドと共に向かうが、それは囮だった。その間に、作戦を指揮するMらをエレクトラ一味が襲撃。
実はエレクトラは、レナードに捕らわれている間に彼に傾倒していて今では恋仲だったのだ。そして母代わりとも言えるMを連れ去る。 ボンドとジョーンズ博士は、カスピ海にあるキャビア工場へ。そこへ何の目的か、KGBのズコフスキーと会う。がレナードの一味の襲撃を受け、ヘリから高枝を切るためのチェンソーで襲われる。
エレクトラとレナードは、行方不明の核爆弾を見つけるための発信器をはずし、これでもう見つからないと言うが、ひそかにMがそれを隠し持つ。ボンドらは核爆弾からの信号が途絶え困惑するが、再び信号を受信し、それがMの居場所だと確信する。
ボンドらはボスポラス海峡の小島「乙女の塔」に急行。そこでエレクトラに会い、彼女が一味だと感づいていたのだが結局2人とも捕らわれてしまう。エレクトラは、ボンドを古代の拷問イスに縛りつける。これは、ダイヤルを回すと次第に首が絞まる仕掛けだ。そこへコズレフスキーがかけつけるが撃たれて死ぬ。しかし、死ぬ間際に、杖に隠された銃でボンドの手かせをはずす。
ボンドは拷問イスから抜け出し、逃げるエレクトラ。追うボンド。塔の上の階でエレクトラを追いつめると、彼女は女は撃てないはずと言うが射殺する。
レナードは原潜でメルトダウンを起こしてボスポラス海峡を壊滅させ、石油業界を独占する気だ。それを追うボンドは原潜に乗り込み捕らわれているジョーンズ博士を救出。浸水とかする中、核爆弾のある原子炉へ移動。レナードは核爆弾をオーバーフローさせようとするのだが、ボンドがかけつけ格闘。レナードを倒す。脱出ポットで脱出するボンドたち。
一方本部では、ボンドらの無事を心配。Rが発明した装置で、サーモセンサーで生存が確認できるはず。
人の姿が見えたのでホッとする一同。ところがよく見ると2人の人間が絡んでいる事が判明。
Mはビックリしてかすれて声で「007」。あわててRはパソコンを閉じ――。
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