「狂気と天才の区別は業績を見れば解る」

Tomorrow Never Dies:トゥモロー・ネバー・ダイ
1997年 119分 イギリス
監督:ロジャー・スポティスウッド
脚本:ブルース・フィアステイン
撮影:ロバート・エルスウィット
音楽:デビッド・アーノルド
出演:ピアース・ブロスナン、ミシェル・ヨー、ジョナサン・プライス他
 
はじめに
ミシェル・ヨーの大活躍。ただクンフー・アクションができれば。脱ボンドガールかというと、違うような気がするんだけどね。ご承知の通り、彼女はミシェル・キングの名前で知られた香港のトップ・スター。結婚し女優業を引退するが、カム・バック作があのジャッキー・チェンの「ポリス・ストーリー3」このときの彼女の役柄(中国政府の職員)を主人公とした「プロジェクトS」も作られた(ジャッキー・チェンも友情出演している)。で、そのスピン・オフの続編が「トゥモロー・ネバー・ダイ」(うそうそ) で、この大活躍のおかげで、アクションができれはボンドガールになれるという勘違いした日本人女優がわんさかでる。
 敵は世界のメディアを手中に収めようという、久々の設定である富豪。いかにも現在の社会情勢にマッチした敵と言いいたいところだが、現在では良くあるパターン。使い古されてます。

原作と映画の関係
チャン将軍の陰謀は、政権奪取までで、映画はとどめているが、小説では、皇太子の即位と清王朝の復活まで書かれている。
ウェイ・リン大活躍。女ボンドとして、ハンブルグまでのアクションが書かれている。
根こそぎ削いだため、薄っぺらになった映画って感じか・・・というか、全部映画にしたらそれこそ露骨な「私を愛したスパイ」か。
沖縄米軍基地が東シナ海米軍基地に・・・どこにあるんだ?それ・・・
女装でマゾのカーヴァの父親の隠れたシュミ、それにまつわるスタンパーの過去など・・・飛ばしてます。ステルス艦のプロットは「シーファイア」AAOPS搭載潜水艦より。

ストーリィ
南シナ海に英国艦に中国のミグ機が領海侵犯だと警告してきた。 間違いなく公海だと逆に反撃態勢に。
その頃、その付近にはステルス戦闘機の材質で作られたステルス艦が。 そこに乗った一味は、衛星を利用して英国艦の現在位置の認識を狂わせていた。
さらに、ドリルみたいな羽のついた魚雷を、中国機が投下したように見せて発射。これが英国艦に命中。浸水で艦は沈没。さらにミサイルで中国ミグ機1機を撃墜。 脱出した英兵たちはステルス艦に回収されるが、中国式の弾を使って射殺される。黒幕はメディア王と言われるカーヴァーだ。 彼はその様子を巨大なモニターで見ながら、 タイプで「トゥモロー紙」の一面記事を考えていたる。
英国と中国の関係は一触即発。英軍は武力で対抗しようとする体制に。
しかしMは、何者かが作為したように思えると主張。
ボンドが持参したトゥモロー紙には、中国軍の弾で英兵が殺されたとの情報が。 その事は、英軍もつかんでおらず、現在地を誤認させる電波も カーヴァーの衛星から発信されたらしい。
英軍は48時間以内にカーヴァの仕業との証拠がつかめなければ、 中国軍を攻撃する。そこでボンドがカーバーの身辺を探ることに。 奇しくもカーバー夫人は、ボンドのかつての恋人パリスだ。
 パーティ会場へ潜入。 カーヴァーはボンドよりも、香港の記者だというリンの方に関心が。 ボンドはパリスの所へ。彼女はボンドの顔を見るや張り手を食らわせる・・・といった、顛末。
 ボンドはカーバーの会社へ潜入。金庫の中を調べると中には赤い箱が。これを盗んで退散しようとするが 、リンが、実は彼女は中国の諜報員で 乱暴な手口で侵入したため、警報が鳴ってしまい、ボンドも追われるハメに。リンは体をワイヤーで支えて涼しい顔で壁を歩きながら降りていく。 ボンドの方は激しく機関銃で追われるハメに。
 一方、カーヴァーはボンドとパリスの会話の録画を確認。 「今でも拳銃を枕の下に隠してるの?」と言うセリフを抽出し、彼のことをただの実業家とごまかしたことに腹を立てる。 パリスは夫カーバーが悪事に絡んでいることに気づき、 ボンドの調査を手引きする事を約束。だが、結局捕らわれてしまう。 ボンドは自室へ戻ると、殺されているパリスが。
拷問の権威と言うカウフマン博士がいて、ボンドとの心中をでっち上げると言う。すでにその内容の臨時ニュースのビデオもできているのだ。 カーヴァ一味はBMWを回収し、この中にあるはずの赤い装置を回収しようとする。だが、ドアはこじ開けられず、金槌で叩いても、機関銃で撃ってもダメ。カウフマンはやむなく中断させ、開け方を聞き出せと指示。 ボンドは携帯電話で開けるのだと言うが、カウフマンは信じずおれがやると言い、 自らが電流を受けて倒れるハメに。しびれながら命乞いするカウフマンに対して、冷酷に射殺するボンド。
パリスの遺体にキスして立ち去る。
 ボンドが回収した装置は、レーダーの位置をかく乱する装置だった。 それをもとに、英国艦が沈没した真の位置を追及。 CIAのジャックの手引きで、 沈没位置へパラシュート降下で向かう事に。 ダイビングで英国艦の中へ入ると、どうやら人工的に開けたような穴を発見。
海底でまたもリンと再会して驚くが、ミサイルがなくなっているのでまたビックリ。 リンの味方が待ち受けている船に乗り込むが、そこで待っていたのはカーヴァー一味。 ボンドとリンは手錠で縛られ、ベトナム・サイゴンにあるカーヴァーの会社の高層ビルへ連れられる。
カーヴァによれば、英国のミサイルで中国を攻撃し、緊張関係にある2国を戦争に突入させようと言うのだ。そして、カーバーの手の内のチャン将軍は、からくもミサイル攻撃を逃れ政権を奪取。 カーヴァーが中国の報道の独占権を得ると言う寸法だ。
 ボンドたちを始末しようと殺し屋スタンパーらが現れるが
ボンドは素早く機関銃を奪いそれを乱射。脱出。中国諜報部のアジトで、結局2人は協力してカーバーの艦の急襲を計画。
ボンドらの報告で、どうやら敵はカーバーとわかった英中だが 確かな証拠がない限りは、戦争勃発は避けられない状態だ。
2人はレーダーを避けて中国沿岸に向かっていたステルス艦に接近潜入。 ボンドの突入で撃ち合いが開始。カーヴァはシードリル体を切り刻まれて死亡。 スタンパーを倒し、リンを救出。口移しで空気を与えて脱出。ステルス艦は爆発し、戦争は回避される。


kl