「出るわ、デニス」

For Your Eyes Only:ユア・アイズ・オンリー
1981年 128分 イギリス
監督:ジョン・グレン
脚本:リチャード・メイバウム、マイケル・G・ウィルソン
撮影:アラン・ヒューム
音楽:ビル・コンティ
出演:ロジャー・ムーア、キャロル・ブーケ、トポル、ジュリアン・グローバー、リン・ホリー・ジョンソン他

はじめに
フランス出身の美人女優キャロル・ブーケで、長い髪とクールな瞳が印象的です。しかもソルボンヌ大学出身の才女でもあります。クール・ビューティと称されていて、現在ではフランス映画界きっての女優に。
 リスル伯爵夫人を演じたカサンドラ・ハリスは、ピアース・ブロスナンの夫人だった方(故人・91年没)で、ブロスナンは当時子供と共に撮影現場に遊びに来たことがあるそうです。
 原作にこだわりをもつグレン監督は、「死ぬのは奴らだ」で映像化されなかったクライマックス・シーンを実現させたり、ボンドにトレーシーのあだ討ちをさせたりと、なかなかこだわってました。

原作と映画の関係
前半は「読後償却せよ」のプロットを、後半は「危険」のプロットを。
「死ぬのは奴らだ」のボンドとソリテールが縛られてサメの海を引きずりまわされる場面は、ボンドとメリナに。
ヒロインの名前がジュディからメリナに。


ストーリィ
アルバニア沖でイギリスの電波監視船が何者かによって撃沈される。この船にはミサイル誘導装置(ATAC)が装備されていたため、英国は一刻も早く回収せざるを得なかった。が、ソ連は既に情報を入手していて、ギリシャの裏組織が活動を開始していた。
英国政府は考古学者ハブロックに引き上げを依頼するが、彼らはゴンザレスに殺されてしまう。
ATAC回収の指令が出たボンドは黒幕を追う。

ボンドは、ゴンザレスの屋敷へ。
だが、ゴンザレスはハブロックの娘メリナに殺され、 メリナと共に山道を車で逃げることになってしまう。
ボンドは、ゴンザレスに金を渡した男を照会したところ、ギリシャ密輸団のロックと判明。フェラーラと合流。彼にクリスタトスを紹介される。彼によれば、ロックはかつての相棒コロンボの片腕だと言う。
だが、ボンドはスキー場でバイアスロン選手のエリックらに襲われ、 スキーでボブスレーコース等を逃げる羽目に。しかもフェラーラが殺される。

 ボンドはコロンボに接近するために、彼の愛人リスルに近づくが、彼女はロックに殺され、ボンドは現れた別の男たちに捕まってしまう。男たちのリーダーはコロンボだった。
コロンボによれば、敵はクリスタトスだと言う。ロックも彼の部下だと。二重スパイである彼は、英国にも信用されていたのを利用してソ連のために働いていたのだ。
ボンドらはクリスタトスの倉庫を襲撃。ロックを倒す。メリナと合流したボンドは、航海日誌で沈没船の位置を発見。 潜水艇で向かい、ATACの回収に成功。だが、船をクリスタトスに奪われる。
オウムが会話を覚えていたため、彼らの隠れ家が断崖の上の修道院と判明。
ボンドは断崖を登り、コロンボらと制圧。逃げるクリスタトスをコロンボが倒す。
ゴゴール将軍が到着するが、ボンドはATACを谷底に投げ、痛みわけに持ち込む。


kl