「心配しないで、シベリアで訓練は受けたわ」

The Spy Who Loved Me:私を愛したスパイ
1977年　125分　イギリス
監督：ルイス・ギルバート
脚本：リチャード・メイバウム、クリストファー・ウッド
撮影：クロード・ルノワール
音楽：マーヴィン・ハムリッシュ
出演：ロジャー・ムーア、バーバラ・バック、クルト・ユルゲンス、リチャード・キール、他

はじめに
主題歌はカーリー・サイモンの「Nobody Does It Better」映画タイトルとは異なるタイトルです。まあね。
　ボンド・ガールは後に元ビートルズのリンゴ・スター夫人となるバーバラ・バック。
　ハリー・サルツマンが降りたため、ブロッコリ一人によるプロデュース、かつ、10作目メモリアルということかどうかは知らないけれど、もあり、脚本は10人の手を経てあげくリチャード・メイバウムがまとめ、これまたナイスなクリストファーウッドのノベライズがでました。監督もガイ・ハミルトンからルイス・ギルバートに交代等、スペクター復活のアイデア・・・様々な困難があった訳です。
　しかし、完成した作品はスケールの大きさと奇想天外な秘密兵器、パロディなど、全てがうまく融合し、水陸両用のロータス・エスプリと殺し屋ジョーズのインパクトで人気を博した。
　　ノベライズでは原作を意識しているため、ゴゴール将軍たちはスメルシュのメンバーでしたが、映画ではKGB長官として登場。
　Qがアマソワ少佐に「ブースロイド少佐」と呼ばれたことから、その設定がオフィシャルとなったのもこの作品です。

原作と映画の関係
ボンドに射殺されたストロンバーグは、小説ではいかにもフレミング風に、アトランティスが傾き、滑ってきたガラスのテーブルに頭を潰すされて死ぬ。
ストロンバーグの容姿が、体毛一つない魚を正面から見た顔で、手には水かきがある。
映画のストロンバーグにも水かきがあるのだが、劇中に説明はない。
列車のジョーズ襲撃は映画オリジナル。
アトランティスが、カルデラの湖に浮かんでいた。

ストーリィ
英潜水艦レンジャーと、ソ連潜水艦ポチョムキンが行方不明になった。
ＫＧＢは、恋人の作戦遂行中の死を知ったアマソワ少佐が調査に。そして、Ｍはボンドを調査をさせた。
レンジャーの航路は、熱感応システムで漏洩。その熱を追う潜水艦追跡装置のシステムはカイロで売られると言う。
ボンドは競売するカルバに会い、アマソワと対面するが、カルバは鉄の歯を持つ殺し屋ジョーズに殺されてしまう。
ボンドらはジョーズを追跡。怪力に苦戦しながら、システムのマイクロ・フィルムを奪取。
その結果、ＭとＫＧＢゴゴール将軍は共通の敵を手を組み、Ｑの分析で、フィルムの書類からストロンバーグ商船のマークを発見。
ストロンバーグは、サルジニアに海洋研究所を持つ富豪で、ボンドらはストロンバーグと対面。
その帰り道ロータス・エスプリのボンドを刺客が襲う。 爆弾搭載のサイドカーや、絨毯爆撃するヘリのナオミ。
回避したエスプリは潜水艇になり、研究所を調査し、ストロンバーグのタンカー、リパラス号が寄港していない事が判明する。
さらに、ボンドがアマソワの恋人を殺した事も。
２人は米潜水艦で、リパラスに接近。機能停止し、船内に回収、捕虜にされる。
ボンドらは捕まり、ストロンバーグの計画を聞くことになる。 彼は、米ソを核攻撃し、世界を壊滅させ、海の世界を作ろうと言うのだ。
ストロンバーグがアマソワを連れて去った後、ボンドは見張りを倒して反撃に。
乗員と協力し、ドックを抑える。続いて、核ミサイルの起爆装置で司令室を爆破。
２つの潜水艦に、双方を攻撃するよう指示を出し、成功。
海洋研究所攻撃が決まるが、ボンドはアマソワ救出のため、単身向かう。
ストロンバーグを射殺。ジョーズをサメの池に落とす。
アマソワを救出し、脱出艇で脱出。彼女も、ボンドへの愛には勝てなかった。かくしてデタントへの道がまた一歩。
ジョーズはサメを逆にかみ殺して大海原へ。