エルンスト・スダウロ・ブロフェルト
彼の名、エルンストは英語読みするとアーネスト。誠実なという意味である。
だれもが人目見ただけで引き付けられる人物。いわゆる俗人離れ。容貌の怪異。心中の自信によるくつろぎ、強い動物的な吸引力。これらはアレクサンダー、チンギス・ハン、ナポレオンと同質な特性といわれている。
1908/5/18生。対立した世界では迅速確実な通信手段が力の確信であり、先に情報を捕らえることが名声をつかむというものだった。ポーランド郵政電信省に勤めていた時代、架空の組織タータを造り、郵便局を経由する郵便物の中の機密や極秘文書を写してドイツ、アメリカ、スゥエーデンに売りつけていた。ポーランド降伏後、トルコに亡命し。同様のラヒールという組織を造り情報売買を再開することで連合国から多大な報酬と栄光を得る。南米で休息の後スペクターを発足。オメガ計画の頓挫で組織は壊滅。3年間の活動期間だった。逃走先のスイス政府を買収したブロフェルドはそこを拠点に再びスペクターを興す。この時期名誉欲に取り憑かれ、デ・ブルーシャン伯爵一族の称号を得ようとやっきになる一方、復讐としてイギリスにむけて細菌戦争の準備を始めるが、執拗に彼を捕まえようと追跡する英国情報部によってまたしても壊滅される。
彼の最後の亡命先は日本だった。その理由は、日本はアメリカの支配下に有り、英国情報部勢力圏外に有ること、全世界に支局を置いている英国情報部において、唯一支局が存在しない国であるからだ。その頃はもうかつての威厳はなく、梅毒の影響かボンドに生涯を賭けた二つの陰謀を潰されたショックか、精神に変調をきたしている。日本はいわば、ブロフェルドと彼の妻にとなったフロイライン・イルマ・ブントの隠居先で、自ら芸術と称する、自殺者達の楽園で中の毒草や動物、間欠泉で自殺しようとする者たちを眺めて暮らしていてた。しかし公安調査庁のボス、タイガー田中とジェイムズ・ボンドの中で密約が成立し、ブロフェルドは福岡に築いた死の楽園の城の中で絞め殺される。
エミリオ・ラルゴ
大柄で人並みはずれた好男子。ローマ人で、古代金貨にあるローマ人の肖像のような顔をしている。かれは冒険家であり、女を征服していくけだものであり、生まれながらの群れの指導者だった。
戦後ナポリの闇市のボスとして登場して以来、タンジールの密輸組織、リヴィエラの宝石強盗段など、いくつもの組織の作戦を計画してきた。怪盗紳士を地でいっている。スペクターに入って5年たつということだが、ブロフェルドのスペクターが活動を開始した2年前、つまり組織の準備期間からのメンバーといえる。ブロフェルドが唯一自分の後継者と認めた男で、それはメンバーの無記名投票でも意義無しというものであった。
どんな仕事で熱っぽく興奮している時でも、必ずラルゴは周りに静けさを広げた。彼はどんなことにおいても静けさと間を置くことを大切にしている。それによって仲間が彼に結びつき、どんな統率力の要素よりも彼に対する従順と誠実さを掻き立ててくれることを
しっているからだ。
ニーナ・ブロフェルド
父親から唯一受け継いだ外見的特長は、黒い炎のような双眸。それは年齢的な若さを超越した聡明な輝き持っている瞳だった。華やかで愛らしい印象をもち、豊満そのものの右の乳房に対して、左は少年の胸のようにすべやかであり、そのアンバランスな眺めが逆にエロティックでもある。
私生児のとして生まれ、そのときの姓はクラベール。みなしごとしてパリに暮らす。20歳のときに叔父に当る人物が死亡、画家を目指しながらウェイトレスとして働いていいたが、生活の為に娼婦なろうとした矢先、パリに訪れたマーカス・ビズマーカーに結婚を申し込まれる。
母親の消息は不明。ブロフェルドがパリにいたころ、三年間同棲した娼婦ということらしい。父親を愛していて、これまで迷惑が掛からないように決して会いに行くことはしなかったが、何らかの方法でブロフェルドは自分の蓄積した生きるため、生活するための知識をあたえていたようだ。伝言として叔父に当たる人物が伝えていた可能性がある。スペクターの組織をニーナに譲るという遺言が存在しているというが、これはスペクターの残党が彼女を組織の象徴に担ぎ上げるための偽書と思われる。彼女は本部における戦いに倒れる。瀕死のところ大ニシキヘビの餌食になるが。死にきれずに苦しんでるところ、フェリックスレイターに引導を渡してもらう。
タミル・ラハ二
ンドが見た彼の印象は肌の浅黒い筋肉質の男。30代に見える容姿。
あふれるような威厳と、才能に対する確固たる信頼が見られる等、彼の優秀な軍事指導者に見られる活力は、自己鍛錬よるものであると思われる。ラハ二・エレクトロニクスの会長兼大株主であり、エレホンという名のレバノンにあるテロリスト養成所の司令でもある。自らが現場で指揮をとる性格から、おそらく自身も傭兵であり、最終の階級が大佐であったから、その呼び名が定着したのかもしれない。ソ連のタカ派とは親密な関係であり、そこらへんの非合法な報酬から後のラハ二・エレクトロニクスの株を買い占めた可能性もある。スペクターの本部としてシャーク島を買収した時期を考えると、おそらく傭兵斡旋業として一番の顧客がスペクターで、親密な仲を築いていったた関係上、ニーナ・ブロフェルドの死後、烏合の衆となったメンバーを抱きかかえる形でスペクターの党首になったものと思える。
愛人としてダズル・シン・ジョン・フィネスの存在が確認されており、彼女はラハ二の命令でジェーソンと名を変え、ホーリーの監視役として彼の妻になっている。現在消息不明
タミル・ラハニは戦術指揮官として第一線に出たがる性格が災いし、ボンドとの最初の戦いにおいて、パラシュートの着地を失敗したため脊髄を損傷する。しかしその疵から癌を誘発し余命四ヶ月となった時に、ボンドの首狩りコンペを催す。しかしその時にはすでに自らの意志で動ける体でなく、結果としてボンドが仕掛けた爆弾によってその魂も四散する。
kl