「この世界の7/10が未踏のままに残されているのに、なぜ宇宙制覇など求めるのだろう」

新・私を愛したスパイ

はじめに
ノベライズを担当したのはクリストファー・ウッド。お見ごと! なんです。こんな荒唐無稽すぎるストーリィをフレミングが書いたらどうなるかと実現してしまったという。ウッドのオリジナル・ボンドを読んでみたかったなぁがホンネです。この作品は、ボンドのパロディを書くための約束事とかが、解りやすく整理されている最良のテキストとなってます。抑えとく点はここだ!とばかりに・・・あとは文体だけなんだよなぁ、懸案事項は(爆)

ストーリィ
核ミサイルである大陸断道弾ミサイル・ポラリスを装備したイギリスの原子力潜水艦レンジャー号が消息を絶った。スキー・ストックから発射するロケットの設計に忙殺されているQの変わりにMが説明するには、原潜が航行中に発する熱を追跡する熱痕探査装置があり、これにより原潜の正確な位置がわかるというものだった。その装置の青写真を売り出そうという者が現れた。その真相を確かめるためにボンドはカイロに向かった。そこで追跡装置のマイクロフィルムをめぐり、ソ連のスパイと接触し、共通の敵になるカール・ストロンバーグの一味に対して英ソ共同作戦をとる。

ピンクのヒロイン
アニア・アマソワ第四課少佐・国内保安担当。四人兄弟の末っ子であり父親を事故で失った後、政府より特種訓練の学校に薦められる。卒後チェコスロバキアのスパイ監視の任務につく。後にスメルシュの軍資料室において「人柄の評価」という業務につく。ソ連の原子力潜水艦消失事件の調査にカイロに。カイロでイギリスのスパイに接するも、ボンドに惹かれるものを感じ始める。アニヤはボンドに恋人だったセルゲイの魅力「そこの知れない恐怖」を感じたからだ。ボンドもまた同じだった。アニヤは髪が黒いこと意外、その性格、身のこなしが亡きトレーシーとそっくりだったのだ。彼女は勇気と根性と機略を共有していたのだ。ゴゴール中将はそんなアニヤを自分の腹の下に屈服させたいという欲望を抱いている。そのため、お楽しみの味付けにボンドがアニヤの恋人だったセルゲイを殺した仇だと告げる。

黒い悪玉
カール・ストロンバーグ
彼の外見的特長は指の間に水かきのような皮膜があるのと、生まれながらに頭毛がないことだった。漁師の父の遺伝で幼い頃から海に興味を持つが、海面下の生き物に対してのみ深い愛情を抱くことになる、人間は地球にとって毒でしかないと考えているからだ。彼の事業は火葬場の建設から始まり、火葬される前に金歯とか金になるの物を剥ぎ取り、財産の基盤を築いた。そしてその財産を海運につぎ込み、強引な手段でギリシアの海運業界の犯罪組織を手なずけ、移動する海洋研究所をカモフラージュした海底都市アトランティスと世界最大のタンカー、リパラスの完成とともに理想の完成に着手した。原潜三隻を収納できるリパラスを使い潜水艦を拿捕。搭載の核ミサイルを使って、地上世界の悪徳に汚れた人間どもを死滅させ、自分の海底都市に避難させた選ばれた新人類によって新しい世界を創造することだった。しかしその計画は、潜水艦追跡装置のマイクロ・フィルムを英ソで競売にかけようとした裏切り者の出現によって発覚する。彼は裏切り者と英ソのスパイの殺害をジョーズたちに命令する。

新人類の父となるか!?ジョーズ!!
本名ズビグニウ・クリクシウィキ。気難しく人付き合いが悪く極度の癇癪もちで暴力衝動に取り付かれている。ただ暴力が振るえるだけで参加していた1972年のパン暴動でポーランド秘密警察に捕まり警棒で顎を砕かれるも看守四人を殺して逃走。その不気味な体格と醜さに興味を持ったストロンバークに拾われる。ストロンバーグは彼を自分の空想どおりに作り変えようとする。プラチナの二列の歯を持つ人工顎を挿入したのだ。その手術のために声帯を切除したのでジョーズはしゃべることが出来ない。さらにストロンバーグの実験は続く。アニヤの美と素晴らしい知恵がジョーズの残忍な抜け目なさと超人的な力とむすびつくと、どんな子供が生まれるか試したかったのである。

本日の後始末
リパラスの司令塔を選挙し双方の潜水艦を標的にするよう誤った指令をだし核ミサイルはお互いを破壊して、週末戦争は回避された。
原爆による天変地異は海底地震による謎゜の高波として処理された。

本日の拷問
ボンドがマイクロフィルムを持っていると判断したアラヤたちは、捕らえ拷問にかける。スメルシュの常套手段のその拷問方法は、睾丸に電極を付け、電流を流すことである。いやいや考えただけで・・・しかし、そーゆーSEXプレイが、あるんですねぇ・・・


kl