「生かすも殺すも私の意のままなのよ。そうできる男が前から欲しかったわ」

スペクターの逆襲

はじめに
核兵器が絶対兵器だった時代は終わり、核兵器を無力化する兵器が最終兵器なんだ・・・SDI構想、SW構想が席巻した時代。しかし今振り返ってみると・・・。個人的なところで安易に、二世とか子供とかってのは、あまりにも想像力がなさ過ぎてキライ。ましてや親友の娘がが抱ける年齢って、そんな、ヨボヨボのボンドは見たくない・・・

ストーリィ
突然の来訪だった。シーダ・レイター。フェリックス・レイターの娘。18の時に国務省に採用され、一年後CIAが接近。国務省に働きながら補助要員の訓練を受ける。その補助要員の特権・・・顔を知られていないという点が買われて極秘任務を帯びて英国情報部に現れる。CIAが情報部に協力依頼を求めたのはビズマーカー王国の調査だった。

黒い悪玉
マーカス・ビズマーカー
 第二次大戦中はアメリカ・ナチ党の熱心な党員だった。アメリカで最初のアイスクリーム王で1950年にアイスクリームの利権を大食品にメーカーに売却しその巨利でテキサス州アロマ砂漠の一角を買い取り、ラス・ヴェガスの成り立ちと同様に水を引き施設を建てビズマーカー牧場と称する外界から完全に隔離された王国を持つ。そこはMGMからデザインを買い取ったタラの屋敷を建て、他にサーキット。唯一の交通手段であるモノレール、アイスクリーム工場等を持つ。一時期、現金を弾丸に政界を乗っとりに暗躍するが、ウォーター・ゲート事件で撤退。ひそかに爪を研ぐ。彼の人生の生きがいは、妻のニーナ・ビズマーカー、アイスクリームの斬新な品種改良、珍しい版画の収集である。そしてアイスクリーム王時代からの秘書であるウォルター・ラクソーとは同性愛の関係である。性癖は絶倫にして異常。1980年ごろから、スペクターの幹部会と接触。動向を調査した捜査官は全てミシシッピーの沼に連れ出され、守護神のニシキヘビの餌となる。かろうじて発見されたCIA捜査官の衣類から。ブロフェルドの署名入り指令書が発見される。そのためビズマーカー調査が開始される。ボンドとシーターは著名な版画収集家ジョン・テンプラー夫妻のカモフラージュを身につけ、ビズマーカーと接触する。

ピンクのヒロイン
ニーナ・ビスマーカー
 
彼女は、名のうてのの女嫌いでも、がくっとひざを落とすくらいの笑顔の持ち主で何処にいても自分の家のようにくつろげるタイプだとボンドは感じていた。
美貌とともに聡明な頭脳と博識をもち、ボンドがもってきた版画も贋作だと見抜いていた。
ボンドの来訪の意味も察しており、暴君ビズマーカー恐怖と陰謀の存在を警告し、自分を救ってくれないかとほのめかす。それにコロっと参ってしまったボンドに対し、さすがレイターの娘。父親譲りの洞察と皮肉は「この女は男を取って喰うわよ」と警告。その言葉とおりに、ボンドはスペクターの「復讐」もかねた、ハウンド作戦の色添えに利用される。

ハウンド作戦
ウォルター・ラクソーの印象は人間離れした痩身の動く死者。公私共にビズマーカー寵愛の秘書でありスペクターの参戦参謀でもある。ビズマーカーの事業拡大もそうだが、政界進出の計画も彼が立案指揮していたと思われる。その陰謀好きが再び活動の場を得られたのは、主人であるビーズマーカーの妻がスペクターというガラスの靴にぴったりだったということだった。彼は巨大な規模と顧客を得られるビジネスを立案する。
米ソの軍事パワー・バランスは核弾頭の保持数から、核弾頭運搬手段を無力化させる粒子ビーム開発の競争に移行した。その電子、陽子、重イオン、中性子の粒子を束にしてレーザーのように放出し目標を破壊する兵器は、防御に用いた場合、見えない防壁となって核攻撃を阻止することが可能だ。軍拡競争はひとえに究極防御兵器に係わってくる。
この粒子ビーム開発以前に於いて、核戦争の勝敗を決す要は軍事通信衛星の破壊である。
衛星軌道上の目と耳を破壊して、宇宙の支配権を握ったものが勝ちなのだ。
現在アメリカは気象衛星と偽って、敵人工衛星を破壊する、レーザー装備のキラー衛生スペース・ウルフを20基打ち上げている。そのプログラムを管理しているのが、シャインマウンテンにあるNORAD/北米防空総合司令部である。そしてハウンド(天狼)作戦はNORAD本部に侵入して、スペース・ウルフに関する機密を網羅したコンピューター・テープを奪取することだった。
ビズマーカーアイスクリーム工場から、ノーラッド本部に配給されるデザート・アイスクリームに薬物を混入させ。そのアイスクリームは陶酔感から善悪を意識する機能を奪い、それは上級階級章の記号をつけた人間、意識化に自分より上と認めている人物にたいして絶対服従の効果をもつ。そしてスペクター復讐は、捕らえたボンドを同様の薬品を使って洗脳させ、テープを奪取する四つ星の将軍を演じさせる。しかし、それはボンドが何者かに飲まされた解毒剤とアイスクリーム嫌いの将校によって阻止される。

ボンド、男にキスされる!
ハウンド作戦の失敗。全てはマーカス・ビズマーカーの性癖に頓挫した。ビズマーカーは妻のニーナと秘書のラクソーと肉体関係をもっていた。そのことや、月に一度訪れる制御できない性欲の絶倫ぶりによる動物的な激しさについてはまだ、まだニーナ・ブロフェルドは許せる許容範囲ではあった。しかしシーダの肉体が欲しいばかりに、殺人命令が出ているにもかかわらず、彼女を屋敷に監禁し、ボンドを抱きたいという衝動から、ボンドを愛してしまったために、愛する人を助けようと、解毒剤をディープ・キスで飲ますという歴代の寝返り型ボンドガールの王道をイッてしまう!

本日の処刑者PART4
テ・ルンツ。
・・・スペクターの一人、トレイベンに雇われブリディシュ航空12便ハイジャックに参加するが、戦闘となった仲間を見殺しにして逃亡しため、捉えられ、大ニシキヘビに丸呑みという処刑に処せられる。


kl