「あなたって、インデアンごっこをやってる子供みたいだわ」

バラと拳銃

ストーリィ
ハンガリーからの要人救出の任務に失敗したボンドは本国に報告するまでの間パリに滞在している。しかしF局経由よりMからの臨時の任務が命令される。
NATO総司令部からサン・ジェルマン・イギリス軍基地の間を往復する英国通信隊伝書使が走行中に何者かによって襲撃、殺害されたからだ。元来NATOに加盟しているにもかかわらず、独自に自国の基地を持つイギリスに対して批判的な風潮の中、他国の協力は得ず、自分らで事件解決の方針を選択したMは、その任務をらOO7に託した。
伝書使の順航路を捜査するにも、実証を得るには手かがりがなさすぎた。犬を使った調査では人間の反応はあったものの、それは夏の間、キャンプをはっていたジプシーたちの匂いだろうと判断された。もしかしたら、それがカモフラージュになっているのかもと、ボンドたちは張り込みを続けた結果、バラの茂みの中に隠されているソ連工作員のアジトを発見する。連絡員を襲い強奪した機密をアジトから無線で報告していたのだ。ボンドは、とめるラッセルを振り切って、単身アジトに襲撃をかける。

なんてったってラッセル!
何でこの子は映画に登場しなかったんだ、なぜだ!というくらいのもんである。キャラクター立ち過ぎ。
マチスからの情報でパリでボンドがいそうなところを捜し回って偶然、ラッセルがボンドを発見し、それが縁でアシスタントになってしまう。
勤務中は765号、非番の時はメアリー・アン・ラッセル。通勤電車の痴漢がヤで車を買うが、それが見事なまでのおんぼろ車。あたり一面傷だらけのプジョー403である。乗り回すというよりは、車に乗り回されている運転で、周りの車はとばっちりをくいたくないらしく、自ら進んで避けるありさま。大阪名物三重駐車には及ばないが、二重駐車お手のもの。最近では確信犯的に突っ込むことも。
これだけでもわかるように正確は陽気で大胆で奔放。本人は演技と否定するが、努めてしおらしくしゃべっているものの、言葉の端々に垣間見る本来の性格は隠せない。
ボンドがアジトに襲撃をかけることを上司に報告し、援護部隊を促すも、自分がそのメンバーに入っていないことに、ご立腹。単独素行に走る。おかげで殺されかけたボンドの恩人となる。
その報酬は決まってますよね。まずはおいしい食事をおごってもらって、それから・・・ボンドがパリを発つまで、ラッセル嬢しあわせの数日間の始まりです。


kl